会議のあと、メモを見返しながら議事録を書き起こす時間が毎回かかっている。聞き逃した箇所を思い出せず、他の参加者に確認して回ることもある。この負担を減らす手段のひとつが、音声をそのまま文字にするAIツールです。
この記事では、Nottaで録音を始める前に決めておくことから、文字起こし、要点の整理、共有できる形に仕上げるところまでを順に説明します。2026年9月時点で公式サイトに公開されている情報をもとにしています。
Nottaで会議を記録する前に決めること
アカウントを作ってすぐ録音を始めると、後から直す箇所が増えたり社内のルールに触れてしまったりします。先に3つ決めておけば手戻りを防げます。
録音する会議と参加者への周知
すべての会議を録音する必要はありません。後から誰かが読み返す会議かどうかが目安になります。議事録を残す会議、欠席者へ共有する会議、決定事項を後で確認しそうな会議。この3つに絞れば修正する量も減ります。
録音する会議が決まったら、参加者へ事前に伝えます。「今日の会議はAIで文字起こしします」と冒頭で一言添えるだけで構いません。伝えずに録音すると、後から記録を共有したときに問題になります。社外の人が参加する会議では特に注意が必要です。
入力してよい情報の範囲を確認する
Nottaは録音した音声を外部のサービスへ送って処理します。会議で話す内容がそのまま外部へ渡ることを前提に、録音してよい会議かを判断してください。
迷う場合は、話す内容が公開されて困るかどうかが基準になります。未公開の経営情報、取引先から預かった非公開情報、個人の評価に関わる話題が中心の会議は、録音前に社内の情報管理担当者へ確認するほうが安全です。線引きの考え方は生成AIに入力してはいけない情報とは?で整理しています。
日本語と英語のどちらで記録するか決める
Nottaは複数の言語に対応していますが、録音前に話される言語を指定しておく必要があります。日本語の会議で英語を指定すると、まったく別の文章が出力されます。
言語が混ざる会議では、主に話されるほうを指定してください。会議中に切り替えることはできないため、英語のパートが長い場合は、そこだけ別の録音に分けたほうが精度が安定します。
Nottaのアカウント作成と初期設定
ここでの設定が、そのまま文字起こしの精度と使い勝手に影響します。
アカウントを作成して利用環境を選ぶ
アカウントはメールアドレスまたはGoogleアカウントで作成できます。無料のフリープランはクレジットカードの登録なしで始められるため、自分の会議で試してから有料プランを検討する流れが無理のない進め方です。
2026年9月時点のプランは次のとおりです。
| プラン | 料金 | 月の文字起こし |
|---|---|---|
| フリー | 0円 | 120分 |
| プレミアム | 月1,185円 | 1,800分 |
| ビジネス | 月2,508円 | 無制限 |
| エンタープライズ | 要相談 | カスタマイズ可 |
フリープランには1回の録音が3分までという制限があります。実際の会議は3分では終わらないため、精度を確かめるための試用と考えてください。プレミアムとビジネスは1回5時間まで記録でき、年払いの総額はそれぞれ14,220円(税込)と30,096円(税込)です。
料金とプランの内容は変更されることがあるため、申し込み前にNottaの公式サイトで最新の条件を確認してください。
言語と文字起こしの設定を合わせる
前の章で決めた言語をここで指定します。あわせて、話者の自動分離を使うかどうかも決めます。
参加者が3人以上の会議では、話者が分かれているほうが後から読み返しやすくなります。ただし複数の人が同時に話す場面や声が似ている参加者がいる場合は、分離が正しく行われないことがあります。結果は後から手で直せるので、まずは有効にして試すのが現実的です。
スマートフォンとパソコンで使い分ける
Nottaはブラウザとスマートフォンアプリの両方から使えます。対面の打ち合わせではスマートフォンを机の中央に置くほうが音を拾いやすく、オンライン会議ではパソコンのブラウザから操作したほうが録音後すぐに結果を確認できます。
会議を録音して文字起こしする手順
Nottaで文字にする方法は3通りあります。会議の形式に合わせて選びます。
その場の会話をリアルタイムで文字にする
対面の打ち合わせで使うのがこの方法です。アプリまたはブラウザで録音を開始すると、話している内容が順次テキストとして表示されます。
画面を見ていれば、聞き取れていない箇所がその場で分かります。重要な発言が文字になっていなければ、言い直してもらうか自分でメモを残しておくと後の修正が楽になります。
録音済みの音声ファイルを読み込ませる
すでに手元に録音データがある場合は、ファイルを読み込ませて文字起こしします。ICレコーダー、スマートフォンのボイスメモ、Web会議ツールで保存した録画データなどが対象です。
読み込ませる前にファイルの長さを確認してください。プランごとの1回あたりの上限を超えるファイルは、そのままでは処理できません。録画データは映像を含んだままでも読み込めます。
Web会議へ参加させて自動で記録する
オンライン会議では、Nottaを会議へ参加させて自動的に記録させることもできます。会議のURLを指定しておくと、開始時刻にNottaが参加して録音を始めます。
他の参加者の画面にもNottaが参加者として表示されるため、事前に伝えてください。知らせずに参加させると、会議の途中で確認が入り進行が止まります。
文字起こしから要点と決定事項を整理する
文字起こしされたテキストは、そのままでは議事録になりません。1時間の会議は1万文字を超えることもあり、読み返すだけで時間がかかります。ここからはAIに整理させる工程です。
AI要約で要点を抽出する
NottaのAI要約は、そのまま実行すると会議全体の概要が出るだけで、必要としている粒度と合わないことがあります。何を取り出したいのかを指定すると使える形に近づきます。
あなたは社内会議の議事録を担当している社員です。
以下は〇〇についての会議の文字起こしです。
会議で扱われた要点を、上司へ報告する前提で5つの箇条書きにまとめてください。
1項目は40字以内とし、話された事実だけを書き、推測は含めないでください。
要約は文字起こしの内容だけを対象にしますが、それでも話されていない前提が補われて混ざることがあります。要点が出そろったら、元のテキストへ戻って対応する発言があるかを確かめてください。
決定事項と未決事項を切り分ける
会議の記録で後から参照されるのは、多くの場合「何が決まって、何が決まらなかったか」です。要約と分けて取り出しておくと、次の会議の準備がそのまま進みます。
あなたは会議の記録を整理する担当者です。
以下の文字起こしから、決定した事項と、決まらずに持ち越しになった事項を分けて抜き出してください。
決定事項は「何を」「どう決めたか」がわかる一文で書いてください。
未決事項は「何が決まっていないか」と「次に何を確認する必要があるか」を分けて書いてください。
切り分けた結果は、会議の参加者が読んで認識が合うかを確認してください。AIは発言の強さや場の空気を判断できないため、検討段階の発言を決定事項として扱ってしまうことがあります。
担当者と期限を含むToDoを取り出す
決定事項が出たら、次は誰がいつまでに動くかです。ここが抜けた議事録は、共有しても行動につながりません。
あなたは会議後のタスク整理を担当しています。
以下の文字起こしから、会議後に発生する作業を抜き出してください。
各作業について、作業内容・担当者・期限の3つを項目に分けた表にしてください。
担当者または期限が会議中に決まっていない項目は、空欄にせず「未定」と記載してください。
空欄にすると、決まっていないのか書き漏らしたのかが後から区別できません。指示の出し方はChatGPTで業務用プロンプトを作る方法で役割・条件・出力形式の組み立て方を解説しています。
文字起こしの誤りを直して共有できる形にする
AIの文字起こしは、音質や話し方によって誤変換が残ります。そのまま共有すれば、誤った内容が記録として定着してしまいます。
固有名詞と専門用語を修正する
誤りが出やすいのは、社名・製品名・人名などの固有名詞と業界特有の用語です。一般的な言葉に置き換えられていることが多いため、検索機能でまとめて直します。同じ音は同じように誤変換されているので、1回直したら他の箇所も確認してください。
数値と日付も重点的に見ます。「15日」が「5日」に、「300万」が「3,000万」になっていても文章としては自然に読めてしまいます。金額と期限の誤りは、そのまま共有すると実務に影響します。
話者名を実際の参加者へ置き換える
話者の自動分離を使うと「話者1」「話者2」のように表示されます。このままでは誰の発言か分からないため、実際の参加者名へ置き換えます。
置き換える前に、分離そのものが正しいかを確認してください。会議の冒頭で一人ずつ発言する場面があれば、そこを基準に対応づけられます。途中で入れ替わっている場合、先に直しておかないと誤った発言者のまま記録が残ります。
共有リンクとエクスポート形式を選ぶ
共有リンクを発行する方法と、ファイルとして書き出す方法があります。共有リンクは修正後も内容が反映されるため記録を更新し続ける場合に向き、決裁の資料や社外へ渡す場合はその時点で固定されるファイル形式が適しています。
共有リンクを使う場合は、発行する前にアクセスできる範囲を確認します。リンクを知っている人なら開ける設定のまま社外へ送ると、転送されるたびに会議の内容が届く範囲が広がっていきます。
Nottaを業務で使うときに気をつけること
運用を始めてから問題になりやすいのは、録音の同意、機密情報の扱い、無料枠の上限の3つです。順に見ていきます。
録音の許可を取っていない会議では使わない
参加者に知らせずに録音すると、後から記録を共有したときに録音されていたこと自体が問題になります。
社外との打ち合わせでは、相手企業のルールで録音が禁止されている場合があります。自社では問題なくても相手側では不可、という状況は珍しくありません。相手がいる会議では、その場で口頭の同意を得るところまでを手順に含めてください。
機密度の高い会議で使えるか社内ルールで確認する
人事、法務、経営判断に関わる会議は、録音データが外部サービスへ渡ること自体が問題になる場合があります。使ってよい範囲は担当者個人ではなく会社として決める事項です。
ルールがない状態で使い始めると、後から対象外だったと判明します。情報管理担当者へ確認し、範囲を決めてから運用を始めてください。業務全体の効率化の進め方はAIで業務改善する方法で整理しています。
無料枠の上限に達したときの対応
フリープランは月120分です。週に1回1時間の会議を記録すると、月の半ばで上限に達し、その月は新しい文字起こしができなくなります。
上限が近づいたら、記録する会議を絞るか有料プランへ切り替えるかを判断します。目安は議事録の作成に今かけている時間です。1回30分で月に4回なら2時間分の作業時間になります。その時間と料金を並べれば、切り替えるかを自分で決められます。
まず無料枠の範囲で確かめたい場合は、クレジットカードの登録なしで始められるNottaのフリープランで自分の会議の音声を試してみてください。ただし1回3分までのため、長時間の会議での精度までは確認できません。
よくある質問
Q. 録音データはいつまで残りますか? A. 保存期間と削除の方法はプランと設定によって異なります。社内ルールで保管期間が決まっている場合は、公式サイトでデータの取り扱いを確認したうえで運用してください。
Q. 他の文字起こしツールとどう違いますか? A. Nottaはアプリで完結する形式です。専用の端末を使うものや、必要なときだけ従量課金で使うものもあります。AI議事録ツールの選び方で文字起こし・要約・共有・安全性の観点から比較しています。
まとめ
録音を始める前に、記録する会議・入力してよい情報の範囲・使用する言語の3つを決めます。アカウントを作成したら言語と話者分離を設定し、対面かオンラインかで録音方法を選びます。文字起こしができたら、要約・決定事項・ToDoをそれぞれ別の指示で取り出し、固有名詞と数値を元の音声と照らして直してから共有します。
まずは短い打ち合わせを1回記録して、自分の会議で精度がどの程度出るかを確かめてみてください。会議メモから議事録を組み立てる手順そのものはAIで議事録を作る方法で解説しています。