デザインに慣れていないものの、プレゼン資料や社内資料、SNS用の画像を任されて、見た目を整えるのに時間がかかっているという人は多いのではないでしょうか。Canva AIが便利だと聞いても、具体的にどの作業から試せばよいのか分かりにくいかもしれません。
この記事では、Canva AIを仕事で使う前に決めておきたいことから、プレゼン資料、社内資料や図解、SNS画像それぞれの活用方法、ブランド素材を使ってデザインを揃える方法、そして業務へ取り入れる手順までを順番に解説します。読み終える頃には、自分の業務のどの作業からCanva AIを試せばよいかが判断できる状態になります。
成果物によって、任せる範囲と自分で直す範囲が変わります。
| 作りたいもの | AIに任せる範囲 | 自分で直す範囲 |
|---|---|---|
| プレゼン資料 | 構成案とデザインのたたき台 | 読み手に合わせた情報量とレイアウト |
| 社内資料・図解 | 関係の図解化と見た目の整え | 要素の名前と、図の形の選択 |
| SNS画像 | 目的に合う案とサイズ違いの展開 | 投稿間のデザインのばらつき |
Canva AIを仕事で使う前に決めること
Canva AIを使い始める前に、作りたい成果物と任せる範囲を先に整理しておくと、迷わず取り入れられます。
作りたい成果物と利用場面を決める
まず、プレゼン資料なのか、社内資料なのか、SNS画像なのか、どの成果物を作りたいのかを決めます。利用場面によって使う機能や進め方が変わるため、最初に目的をはっきりさせておくことが大切です。
社外に出すものかどうかで、後の確認が変わります。社内資料なら素材の条件は緩く見られますが、社外配布では使用できる素材の範囲が効いてきます。
AIに任せる作業と自分で調整する作業を分ける
デザイン案の生成や構成づくりはAIに任せられますが、細かいレイアウトや表現の調整は自分で行う前提で使い分けます。どこまでを任せ、どこから先を自分で調整するかを決めておくと、作業の流れがスムーズになります。
分ける基準は、判断が要るかどうかです。情報量を削る判断は任せられません。どのスライドを1枚にまとめるかは、聞き手が何を知っているかで変わります。
使用する素材と社内ルールを確認する
使用してよい画像素材やフォント、会社としてのデザインルールがある場合は、あらかじめ確認しておきます。ルールを確認せずに作成を進めると、後から作り直しが必要になることがあります。ブランドキットの登録数など、プランによって変わる条件はCanvaの料金プランで確認できます。
Canva AIでプレゼン資料を作る活用方法
Canva AIでは、構成づくりからレイアウト調整まで、プレゼン資料作成のさまざまな場面で活用できます。
伝えたい結論と構成を渡すと、意図に沿ったスライド案になります。以下はAIに送るプロンプトです。コピペして使ってください。
次の内容でプレゼン資料を作成してください。
・伝えたい結論:新しい受注管理の運用を来期から始める
・聞き手:営業部のメンバー。現在の運用を日常的に使っている
・スライドの枚数:10枚
・各スライドで伝えること:現状の手順/変わる点/変わらない点/切り替え日/当日の流れ/問い合わせ先
・条件:渡した内容だけを使い、記載のないデータや事例は追加しないでください。
伝えたい内容からスライド構成を整理する
伝えたい内容を整理してCanva AIへ伝えることで、スライドの構成案を作成できます。何から話し、どう結論づけるかの骨組みができていると、その後のスライド作成が進めやすくなります。
枚数を先に指定します。10枚と伝えれば1枚に入る情報量が決まりますが、指定しないと項目ごとに1枚が割り当てられて20枚を超えます。
デザイン案を生成してたたき台にする
構成が決まったら、Canva AIにデザイン案を生成してもらい、たたき台として使います。白紙の状態から作り始めるより、たたき台があることで作業の負担を減らせます。
読み手に合わせてレイアウトを調整する
生成されたデザイン案は、想定する読み手や発表の場に合わせてレイアウトを調整します。社内向けと社外向けでは適した見せ方が異なるため、そのまま使うのではなく手を加えることが必要です。
調整で最初に見るのは1枚あたりの文字量です。画面で読ませる資料と、投影して話す資料では、入れられる文字数が違います。
Canva以外の選択肢も検討する場合は、MiriCanvasが同じ用途で使えます。テキストからプレゼンを生成する機能や、AIによる画像生成・背景除去を備えたデザインツールで、日本語のサイトと日本語のUIで提供されています。無料プランでもテンプレート5万種以上と写真・グラフィック35万点以上が使え、有料の「Pro」は月額980円です(料金ページに税込表記の注記があります)。
商用利用の条件は、無料プランと有料プランで異なります。無料プランは「無料プロバイダーコンテンツ」のみを使った制作物に限られ、有料の素材を使う場合はProプランのライセンスが必要です。社外に出す資料で使う場合は、この条件を先に確認してください(MiriCanvas ライセンスポリシー)。
ここが最も間違いの起きる場所です。生成された案には、有料プランの素材が混ざっていることがあります。画面上では区別が付きにくく、社外配布の直前まで気づきません。気づいた時点で素材を差し替えると、レイアウトも崩れて作り直しになります。社外に出す資料では、作り始める前にどの素材が使えるかを決めておきます。
Canva AIで社内資料や図解を作る活用方法
Canva AIは、文章情報を視覚的に整理する場面でも活用できます。
図にしたい関係を言葉で伝えると、近い形の図解が出てきます。以下はAIに送るプロンプトです。コピペして使ってください。
次の関係を図解にしてください。
・図にしたい内容:受注から納品までの工程と、各工程の担当部署
・要素の数:工程5つ、部署3つ
・要素どうしの関係:工程は左から順に進む。部署は工程に紐づく
・使う場面:社内の説明会でスクリーンに投影する
・条件:文字は日本語で、要素の名前は指定したとおりにしてください。図の形が複数考えられる場合は、候補を挙げてください。
文章情報を図解へ整理する
業務フローや組織図のように文章だけでは伝わりにくい情報を、Canva AIに図解として整理してもらえます。関係性や流れを視覚化することで、読み手が内容を把握しやすくなります。
要素の名前を指定どおりにさせる一文が要ります。これがないと、部署名が「営業」から「セールス」に言い換えられます。社内の呼び名と違う図は、説明会でその場の質問になります。
社内説明用のビジュアルを作る
会議や研修などで使う説明用のビジュアルも、Canva AIを使って作成できます。要点を絞った図やイラストがあることで、口頭説明の理解を助けやすくなります。
既存資料の見た目を整える
すでにある資料の見た目が整っていない場合、Canva AIに整理を依頼できます。情報量はそのままに、読みやすいレイアウトへ整えることができます。
依頼するときは、削らないでほしい箇所を先に伝えます。見た目を整える過程で、注記や単位が落ちることがあります。
Canva AIでSNS画像を作る活用方法
Canva AIでは、投稿目的やサイズに合わせた画像作成を進められます。
投稿目的に合う画像案を作る
告知なのか、日常的な発信なのかといった投稿目的をCanva AIに伝えることで、目的に合った画像案を作成できます。目的が明確であるほど、実際に使える案を得やすくなります。
告知なら、画像に入れる文字は日付と場所の2つに絞ります。小さく表示されたときに読めるのはこの程度までです。
サイズやレイアウトを用途に合わせる
投稿するSNSによって適した画像サイズやレイアウトが異なります。用途に合わせてサイズを指定することで、各媒体に適した画像に仕上げられます。
正方形と縦長で同じレイアウトは使えません。1つの案を3サイズへ展開するときは、文字の位置が切れないかを各サイズで確認します。
投稿ごとのデザイン差を抑える
複数の投稿を作成する際、Canva AIを使うことでデザインの統一感を保ちやすくなります。投稿ごとにデザインがばらつくと、アカウント全体の印象が損なわれることがあります。
ブランド素材を使ってデザインを揃える方法
ロゴや配色などのブランド要素を活用することで、Canva AIで作る成果物にも一貫性を持たせられます。
ロゴや色など利用するブランド要素を整理する
会社で使用しているロゴ、配色、フォントなどのブランド要素を整理しておきます。これらの要素をCanva AIへ反映させることで、どの成果物も統一感のある見た目になります。
整理するのは、色のコードとフォント名です。「会社の青」では指定になりません。色は2色から3色に絞ると、生成された案のばらつきが減ります。
テンプレートで共通レイアウトを作る
よく使う資料の形式については、共通のテンプレートを作っておくと、毎回一から作る手間を省けます。テンプレートを土台にすることで、作成時間の短縮にもつながります。
AI生成後もブランドルールに沿って調整する
Canva AIが生成したデザインも、最終的にはブランドルールに沿っているかを確認して調整します。出力された案をそのまま使うのではなく、自社の基準に合っているかを見極める工程を省略しないことが大切です。
Canva AIを業務へ取り入れる手順
ここまでの活用方法を踏まえ、実際に自分の業務へ取り入れていく手順を整理します。構成生成・スライド生成・PowerPoint連携の比較観点は、AIプレゼン資料作成ツールの選び方で比較しています。
既存のテンプレートとの整合を確認したいときに使います。以下はAIに送るプロンプトです。コピペして使ってください。
次の条件で資料のデザインを整えてください。
・使用するブランドカラー:濃紺とグレーの2色
・フォントの指定:見出しと本文で同じゴシック体を使う
・社内テンプレートで決まっているルール:ロゴは右下、見出しは左揃え、1枚あたり箇条書き5行まで
・出力:「変更した箇所/変更後の指定」を1行ずつ書く
・条件:指定した色とフォント以外は使わないでください。注記や単位を削らないでください。
時間がかかっているデザイン作業を選ぶ
最初からすべてのデザイン作業に導入しようとせず、日常的に時間がかかっている作業を一つ選びます。プレゼン資料、社内資料、SNS画像の中から、負担を感じている作業を選ぶと効果を実感しやすくなります。
AIで作った案と従来の作業を比較する
選んだ作業でCanva AIを使ってみて、これまで自分で作成していた場合と比較します。作成にかかる時間や仕上がりの違いを確認することで、実務での使いどころが見えてきます。
比較するのは、作成時間と修正時間を分けた数字です。生成が速くても修正に時間がかかれば、合計は変わりません。
修正負担を確認して利用範囲を広げる
比較した結果、作成時間の短縮を感じられた場合は、他の作業にも少しずつ利用範囲を広げます。一方で、生成後の修正に時間がかかりすぎるようであれば、使う場面を絞り込むことも大切です。
まとめ
Canva AIは、プレゼン資料、社内資料や図解、SNS画像など、デザインに関わるさまざまな業務で活用できます。構成づくりからデザイン案の生成、既存資料の見た目の調整まで、幅広い場面で力を発揮します。
大切なのは、いきなりすべての作業に取り入れようとせず、時間がかかっているデザイン作業を一つ選んで試すことです。従来の作業と比較しながら効果を確認し、ブランドルールに沿った調整を行うことで、Canva AIを実務に無理なく定着させられます。
とくに気をつけたいのは2点です。ひとつは、社外に出す資料では使える素材を先に決めること。生成された案に有料プランの素材が混ざっていると、配布直前の差し替えでレイアウトから作り直しになります。もうひとつは、要素の名前を指定どおりにさせること。部署名や工程名が言い換えられた図は、説明会でその場の質問になります。
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