会議の記録を自動化しようと調べると、この2つが並んで出てきます。どちらも音声を文字にして要約まで作れますが、記録の取り方そのものが違うため、同じ基準では選べません。
この記事では、仕組み・対面での使い勝手・オンラインでの使い勝手・費用・文字起こしの扱いという5つの観点で並べ、最後に自分の働き方からどちらを選ぶかを決める手順を示します。本文の金額と仕様は、2026年9月に各社の公式サイトで確認した値です。
NottaとPlaudは記録する仕組みが違う
比較の前に、2つが何を使って音を録っているのかを押さえます。ここが違うため、後に出てくる差はすべてこの一点から派生します。
アプリだけで完結するNottaの仕組み
Nottaは、スマートフォンやパソコンにアプリを入れて使うサービスです。録音するのは手元の端末のマイクで、専用の機械は要りません。
すでに持っている端末で始められるため、契約したその日に使えます。Web会議の音声やすでにある音声ファイルも、同じアプリの中で文字起こしへ渡せます。記録の入口がアプリ1つに集まっているのが特徴です。
専用端末を使うPlaudの仕組み
Plaudは、録音用の端末を購入して使います。録るのは端末、文字起こしと要約はスマートフォンのアプリという分担です。
端末を使う分だけ手順は増えますが、会議のたびにパソコンを開く必要がありません。机に置く、あるいは身につけるだけで録音が始まります。この「始めるまでが短い」という性質が、端末型を選ぶ理由になります。実際の設定から録音、要約までの操作はPlaudの使い方で解説しています。
この違いが業務にどう影響するか
影響が出るのは、記録を取り始めるまでの手間と、音源からの距離です。アプリ型は端末を取り出してアプリを開くまでが手順で、端末型は電源を入れるだけで始まります。
一方、音の録れ方はどちらも置き場所で決まります。スマートフォンを机の中央に置けば、専用端末と同じ位置から録ることになります。仕組みの違いが必ず音質の差になるわけではない、という点は先に押さえておいてください。
対面会議での使い勝手を比べる
対面はこの2つの差が最も出る場面です。ただし出方は、想像されるほど単純ではありません。
マイクの拾い方と設置の手間
アプリ型は、スマートフォンを机に置いて録音を開始します。この間に通知が来る、着信が入る、といった割り込みが起きる可能性があります。会議中に端末を使えなくなる点は、実際に運用すると気になります。
端末型は、録音専用の機械であるため割り込みがありません。設置して開始したら、あとは会議に集中できます。一方で、充電と持ち出しという別の手間が増えます。忘れた日は記録が取れません。
複数人が同時に話す場面での差
参加者が増えると、どちらの形でも同じ問題が起きます。同時に話された部分は、音が重なって文字起こしの精度が落ちます。
この点で差が出るのは、置ける場所の自由度です。スマートフォンは自分の手元に置くことが多く、端末型は会議の中央に出しておきやすい、という運用上の違いがあります。物理的な位置の差がそのまま拾い方の差になるため、机が大きい会議ほど端末型が有利になります。
会議室以外の場所で使う場合
訪問先のロビー、現場、移動中の立ち話といった場面では、端末型のほうが動かしやすくなります。身につけて使う形であれば、机がない場所でも記録できます。
スマートフォンを取り出して録音画面を開く動作は、相手のいる場では目立ちます。相手に断ったうえでの録音であっても、操作している時間が会話を止めることがあります。この差は、社外での打ち合わせが多い人ほど効いてきます。
オンライン会議での使い勝手を比べる
画面の中で完結する会議では、関係が逆転します。ここが選択の分かれ目になります。
Web会議への参加と自動記録
アプリ型は、Web会議の音声をそのまま扱えます。会議ツールと連携して記録する機能を持つものもあり、手元の操作を増やさずに記録を残せます。
端末型は、画面から出た音をマイクで拾い直す形になります。スピーカーの音を空気越しに録ることになるため、元の音声を直接扱う場合より不利です。オンラインが中心であれば、この時点でアプリ型が有利になります。
パソコン音声の取り込み方法
画面の中で完結する会議では、会議ツールが持つ録画機能がいちばん確実な入口になります。録画したファイルを音声として書き出せば、どちらのサービスへも同じ形で渡せます。
つまりこの経路を使う限り、2つの差はなくなります。差が残るのは、録画を別途書き出す手間を毎回かけられるかどうかです。Web会議の録音から議事録を作る手順では、Zoom・Teams・Google Meetそれぞれで録画が保存される場所と、音声だけを取り出す操作を扱っています。
録画データを後から処理する場合
すでに保存してある録画を処理する使い方では、必要な範囲だけを切り出して渡せます。前半が資料の読み合わせで終わった会議なら、議論が始まった時点から後ろだけを渡せばよく、処理する時間はその分だけ短くなります。
この使い方は、文字起こしの上限時間の消費を抑えます。上限に近い運用をしている場合、録画から切り出す習慣があるかどうかで、必要なプランが1段階変わることがあります。
費用のかかり方を比べる
金額の構造そのものが違うため、月額だけを並べても比較になりません。
初期費用が発生するかどうか
アプリ型には初期費用がありません。無料のプランから始められ、必要になった時点で有料へ移れます。
端末型は本体の購入が前提です。2026年9月時点で、Plaudの本体は22,000円から30,800円(税込)です。使うかどうか分からない段階でこの金額を先に出せるかが、最初の判断になります。
月額または年額の継続費用
継続費用は、2026年9月時点で次のとおりです。
| 比較軸 | Notta | Plaud |
|---|---|---|
| 初期費用 | なし | 22,000円〜 |
| 継続費用 | 月1,185円〜 | 年16,800円〜 |
| 月の文字起こし | 1,800分〜 | 1,200分〜 |
Nottaは月払いと年払いを選べ、プレミアムの年払い総額は14,220円(税込)です。Plaudは年額の契約が基本で、Proが16,800円です。継続費用そのものは近い水準にあります。
1年使った場合の総額
本体代を含めた1年目の総額は、Plaudが38,800円(Note+Annual Pro)、Nottaが14,220円(プレミアム年払い)です。差は約2.7倍になります。
2年目以降はPlaudが16,800円、Nottaが14,220円まで縮まります。つまり金額の差は初年度に集中しており、長く使うほど小さくなります。それぞれの内訳はNottaの料金プランを比較とPlaudの料金と本体費用で整理しています。
文字起こしと要約の扱いを比べる
出てきたテキストの扱いやすさは、日々の作業時間に直結します。ただしこの領域は、公開情報だけで横並びにできない部分があります。
対応言語と話者の分離
どちらも複数の言語に対応し、発言者を分けて記録する機能を備えています。ただし、対応する言語の一覧も、話者を分ける精度も、同じ条件で測った公表値は存在しません。各社が示す精度の数字は測定に使った音源が異なるため、並べても比較にはなりません。
話者の分離についても、何人までを分けられるか、声が似た参加者をどう扱うかといった条件は公開されていません。実務で効くのはこの条件のほうで、4人までは正しく分かれるが5人目から混ざるといった差は、使ってみるまで分かりません。
したがってここは、公開情報では優劣を判断できません。自分が記録する会議の音声で試すしか方法がなく、その手順はAI文字起こしの精度を業務で検証する方法で解説しています。無料で試せる範囲があるのはNotta側で、こちらはクレジットカードの登録なしで始められます。
要約の出力形式と編集のしやすさ
Plaudは用途別の要約テンプレートを備えており、選ぶだけで形の決まった出力が得られます。報告書の形、議事録の形といった型が用意されている点が特徴です。
Nottaはテキストを扱う画面の中で編集と整形を進める形です。型から選ぶのではなく、文字起こしを起点に自分で組み立てる使い方に向きます。どちらが合うかは、決まった形式で提出する必要があるかどうかで変わります。
共有とエクスポートの選択肢
共有の形は、リンクで見せる、ファイルとして書き出す、他のツールへ渡すという3通りが基本です。どちらのサービスでも、この3つは何らかの形で用意されています。
差が出るのは、社内で使っているツールと直接つながるかどうかです。使いたい連携先が決まっているのであれば、その1点だけを公式サイトで確認してください。連携の有無は仕様の更新で変わるため、記事の記載より公式の対応表が確実です。
自分の働き方からどちらを選ぶか決める
ここまでの観点を、自分の状況に当てはめます。判断の分かれ目は3つだけです。
対面の打ち合わせが多い場合
記録したい会議の半分以上が対面であれば、端末型が向きます。パソコンを開く手間が省けること、会議の中央に置けること、社外の場でも目立たないことが、そのまま記録の回数につながります。
特に、訪問や現場での打ち合わせが業務の中心にある働き方では差が大きくなります。初期費用を回収できるだけの記録量があるかを確かめたうえで、Plaudの本体と年額プランの条件を見てください。
オンライン会議が中心の場合
記録したい会議のほとんどがWeb会議であれば、アプリ型を選ぶ理由が明確になります。画面の中の音声を直接扱えるため、端末を経由する分の劣化がありません。
この場合、端末型を選ぶと本体代を払ったうえで不利な録り方をすることになります。初期費用がなく、月の文字起こし時間も多いアプリ型のほうが、条件の面でも合致します。
初期費用をかけられない場合
導入の可否を決める前に試したい、あるいは部署の予算で本体を買う承認が取れない、という状況であればアプリ型から始めるのが現実的です。無料のプランで自分の会議の音声を試し、続ける価値があると分かってから有料へ移れます。
逆に、継続課金の承認は通らないが備品としてなら通る、という社内事情であれば端末型が合います。金額の大小ではなく、どちらの形なら通るかで決まる場面は実際にあります。なお同じNottaにも本体を買い切る製品があり、その条件はNotta Memoの使い方で整理しています。ツール選び全体の比較軸はAI議事録ツールの選び方で整理しています。
よくある質問
Q. 両方を併用する意味はありますか? A. 対面は端末型、オンラインはアプリ型という分け方は成立します。ただし記録の置き場所が2か所に分かれるため、後から探す手間が増えます。会議の種類が明確に分かれている場合に限って検討してください。
Q. 精度が高いのはどちらですか? A. 同じ条件で測った公表値がないため、公開情報からは判断できません。精度は音の録れ方に強く左右されるため、製品の差より置き場所の差のほうが大きく出ることもあります。
Q. 途中で乗り換えられますか? A. アプリ型は解約すれば費用が止まります。端末型は本体が手元に残るため、プランを解約しても購入費用は戻りません。乗り換えの可能性がある段階では、初期費用のない側から始めるほうが損失は小さくなります。
Q. 社外の人が入る会議でも使えますか? A. どちらを使う場合も、録音することを伝えて同意を得る手順は同じです。相手企業のルールで録音が禁止されている場合もあるため、形式に関係なく事前の確認が必要です。
まとめ
NottaとPlaudの違いは、手元の端末で録るか専用の機械で録るかという一点から派生します。対面が多ければ端末型、オンラインが中心ならアプリ型が有利で、この関係は使い勝手でも費用でも一貫しています。
費用は、1年目でPlaudが38,800円、Nottaが14,220円と約2.7倍の差がつきますが、2年目以降は16,800円と14,220円まで縮まります。差が集中するのは初年度です。文字起こしの精度については、公開情報で横並びに比較できる材料がありません。
まずは自分の記録したい会議を対面とオンラインに分け、どちらが多いかを数えてください。その1つの数字で、検討すべき側が決まります。