会議のアジェンダを作る際、議題を並べただけで時間配分や目的があいまいなまま会議当日を迎えてしまうことはないでしょうか。この記事では、ChatGPTを使って会議アジェンダを作る手順を解説します。会議の目的とゴールの伝え方から、議題の洗い出しと並べ方、時間配分の決め方、参加者や事前資料への反映、そして会議前に調整すべきポイントまで、順を追って紹介します。
アジェンダは会議の進行を支える土台になる文書です。目的を明確にした状態でChatGPTへ伝えることが、論点の散らからない会議につながります。
ChatGPTで会議アジェンダを作る前に決めること
アジェンダの作成を依頼する前に、会議そのものの前提を整理しておく必要があります。
会議を開く理由を一文で整理する
その会議をなぜ開くのか、理由を一文で整理します。理由が曖昧なまま議題を並べると、参加者にとって会議の意義が伝わりません。
一文に収まらないときは、会議が2つ混ざっています。「来期の方針を決める」と「今期の進捗を共有する」は別の会議です。
会議終了時に決めたいことを明確にする
会議が終わったときに、何が決まっている状態を目指すのかを明確にします。「情報を共有する」だけの会議なのか、「方針を決定する」会議なのかによって、アジェンダに含めるべき議題や時間配分は大きく変わります。
書き方は「〜について話す」ではなく「〜が決まっている」にします。この形にできない項目は、決定事項ではなく共有事項です。
参加者と会議時間を確認する
会議に参加するメンバーと、確保できる会議時間を確認します。参加者の人数や役割、使える時間の枠組みを先に把握しておくことで、後の議題設定や時間配分が現実的なものになります。
人数は時間配分に直接効きます。6人の会議で全員が一度ずつ発言すると、1人2分でも12分かかります。
会議の目的とゴールをChatGPTへ伝える方法
前提が整理できたら、ChatGPTへの依頼に落とし込みます。
会議後にどうなっていたいかを渡すと、目的が絞られます。以下はAIに送るプロンプトです。コピペして使ってください。
あなたは会議設計の経験がある担当者です。次の会議の目的とゴールを整理してください。
・会議で扱いたいこと:来期の販促施策の方向性
・会議後にどうなっていたいか:実施する施策が1つ決まり、担当と着手時期が決まっている
・参加者と役割:営業3名、企画2名、部門長1名(決裁者)
・会議時間:60分
・出力:目的を一文で示し、そのあとにゴールを「この会議で決まっていること」の形で書く
・条件:時間内に扱えない範囲があれば指摘してください。渡していない情報を補わないでください。
共有だけか意思決定か目的を明示する
会議の目的が、情報共有なのか、意思決定なのかを明示します。この違いを伝えると、議題の立て方や時間配分の考え方も、目的に合った形で提案されます。
会議で得たい成果物や結論を指定する
会議を通じて得たい成果物や結論を、具体的に伝えます。「来月の施策を1つ決定する」のように終了時点のゴールを指定すると、そこへ向かって議題を整理したアジェンダになります。
数を入れるのが要です。「施策を決める」では何個決まれば終わりなのか分かりません。「1つ決める」と書けば、2つ目の議論は次回に回せます。
前提となる状況を簡潔に伝える
会議に至った背景や、参加者が共有している前提状況を簡潔に伝えます。前提が伝わっていないと、一般的な会議を想定したアジェンダが返ってくるため、状況に即した議題を出してもらうために必要です。
必要な議題を洗い出して順番を決める方法
目的とゴールを伝えたら、具体的な議題を洗い出す作業に進みます。
目的とゴールを渡すと、そこから逆算した議題の並びが出ます。以下はAIに送るプロンプトです。コピペして使ってください。
あなたは会議設計の経験がある担当者です。次の会議の議題を洗い出し、扱う順番を決めてください。
・会議の目的とゴール:来期の販促施策を1つ決め、担当と着手時期を決める
・事前に共有できる資料:今期の販促実績、候補施策3案の概要
・参加者:営業3名、企画2名、部門長1名
・出力:順番ごとに「議題/その議題で決めること/前の議題が決まっていないと進められるか」を書く
・条件:目的に関係しない議題は含めないでください。資料で済む内容は議題にしないでください。
ゴール達成に必要な論点を出させる
会議のゴールを達成するために、どのような論点を扱う必要があるかを出させます。目的から逆算して洗い出すことで、抜け漏れの少ない議題リストになります。
情報共有と議論する議題を分ける
洗い出した議題を、情報共有だけで済む議題と、参加者で議論が必要な議題に分けるよう指示します。この区別があると、議論が必要な議題へ多めに時間を割り当てる判断ができます。
共有だけの議題は、会議から出すのが基本です。実績の報告を5分やると、60分の会議の12分の1が消えます。
結論につながる順番へ並べ替える
議題を、会議の結論につながりやすい順番へ並べ替えるよう指示します。関連性の低い議題が入り混じると議論が散らかるため、話の流れが自然につながる順番に整理させます。
判断の軸は「前の議題が決まっていないと進められるか」です。評価軸を決めずに施策の比較を始めると、議論が一周して戻ってきます。
議題ごとの時間配分を決める方法
議題の順番が決まったら、それぞれにどれだけ時間を割り当てるかを検討します。
会議時間と議題を渡すと、収まらない部分を指摘してもらえます。以下はAIに送るプロンプトです。コピペして使ってください。
あなたは会議設計の経験がある担当者です。次の議題に時間を配分してください。
・会議の長さ:60分
・議題と、それぞれで決めること:評価軸の確認/3案の比較/実施する1案の決定/担当と着手時期の決定
・参加者の人数:6名
・出力:議題ごとに時間を割り当て、合計が会議の長さに収まることを確認する。議題の中では説明・議論・決定に分けて配分する
・条件:収まらない場合は、事前共有に回すべき議題を指摘してください。会議時間を超える配分を出さないでください。
議題の型ごとに、必要な時間の考え方は違います。
| 議題の型 | 時間の考え方 | 事前共有に回せるか |
|---|---|---|
| 実績や経過の報告 | 説明のみ。議論の時間は取らない | 回せる。資料配布で足りる |
| 評価軸や前提の確認 | 短く取る。ここが曖昧だと後が伸びる | 回せない。その場で合意が要る |
| 複数案の比較 | 最も長く取る。人数×発言時間を見込む | 回せない |
| 決定と担当の割り振り | 必ず最後に残す。削らない | 回せない |
重要な議題へ十分な時間を割く
会議のゴールに直結する重要な議題には、十分な時間を割り当てるよう指示します。すべての議題を均等に扱うのではなく、重要度に応じてメリハリのある配分にします。
ここが最も間違いの起きる場所です。4議題に60分を均等に割ると15分ずつになりますが、3案の比較は6名で15分では終わりません。比較が延びたぶんは最後の議題から削られ、決定と担当の割り振りが時間切れになります。決まらなかった会議は、次回も同じ議題から始まります。
説明・議論・決定の時間を分ける
一つの議題の中でも、説明にかける時間、議論にかける時間、決定にかける時間を分けて考えるよう指示します。この区別があると、議論が長引いて決定の時間が確保できない事態を防げます。
3案の比較なら、説明5分・議論20分・論点の整理5分の30分という形です。説明を事前資料に回せれば、議論に25分使えます。
会議時間を超える場合は議題を絞る
洗い出した議題をすべて盛り込むと会議時間を超えてしまう場合は、優先度の低い議題を削るか、次回に持ち越すよう調整させます。時間内に収まらないアジェンダは、結局その通りに進行できません。
削る順番は決まっています。報告が先、次に「できれば話したいこと」で、決定の議題は最後まで残します。
参加者と事前資料をアジェンダへ反映する方法
議題と時間配分が決まったら、参加者や事前準備に関する情報もアジェンダへ反映します。
各議題に必要な参加者を確認する
議題ごとに、その議論に必要な参加者を確認し、アジェンダに反映するよう指示します。全員が最初から最後まで参加する必要がない場合は、議題ごとに必要な参加者を明示しておくと、参加者側の時間の使い方も調整できます。
事前に読んでほしい資料を示す
会議前に目を通しておいてほしい資料がある場合は、アジェンダの中に明記するよう指示します。事前資料を示しておくと、当日に説明へ時間を割く必要が減り、議論により多くの時間を使えます。
事前準備が必要な人と内容を明確にする
特定の参加者に事前準備をお願いしたい場合は、誰が何を準備すべきかを明確にアジェンダへ反映させます。準備事項があいまいだと、当日になって議論に必要な情報が揃わない事態につながります。
ここまでで決めた内容を、1本の依頼にまとめてアジェンダの形で出させます。以下はAIに送るプロンプトです。コピペして使ってください。
あなたは会議設計の経験がある担当者です。次の内容で会議アジェンダを作成してください。
・会議の目的とゴール:来期の販促施策を1つ決め、担当と着手時期を決める
・会議時間と参加者:60分、営業3名・企画2名・部門長1名
・議題と時間配分:評価軸の確認10分/3案の比較30分(説明5分・議論20分・整理5分)/実施する1案の決定15分/担当と着手時期の決定5分
・事前資料:今期の販促実績、候補施策3案の概要
・出力:議題ごとに「時間/議題/この議題で決めること/必要な参加者/事前に読む資料/事前準備が必要な人と内容」を並べる
・条件:合計が60分に収まることを確認してください。渡していない議題や資料を追加しないでください。準備の担当が決まっていない項目は「担当未定」と書いてください。
※アジェンダの形が決まったら、次の章の観点で確認してから配布します。
ChatGPTで作ったアジェンダを会議前に調整するポイント
ChatGPTが作成したアジェンダは、そのまま使う前に、いくつかの観点で確認しておきます。問いかけの作り方・議論が止まったときの進行・締め方は、会議の進行台本の作り方で確認できます。
議題が会議のゴールにつながっているか確認する
各議題が、最初に決めた会議のゴールにつながっているかを確認します。ゴールと関係の薄い議題が紛れ込んでいる場合は、削るか別の会議に回します。
時間配分が現実的か確認する
割り当てられた時間配分が、実際の議論のボリュームに対して現実的かを確認します。ChatGPTが提案する配分は目安なので、過去の会議の傾向も踏まえて調整します。
見るのは合計ではなく、議論の時間と人数の関係です。6名で20分なら1人3分強で、これを下回る配分は机上の数字です。
当日に追加すべき論点がないか最終確認する
アジェンダを最終確認する際に、当日追加すべき論点が抜けていないかを見直します。参加者から事前に挙がっていた懸念事項など、作成時には把握していなかった情報がある場合は、この段階で反映します。会議のあとにアジェンダへ沿って議事録をまとめる手順は、AIで議事録を作る方法で解説しています。
まとめ
ChatGPTで会議アジェンダを作るには、会議を開く理由と終了時のゴールを明確にし、参加者と会議時間を先に確認しておくことが出発点になります。目的が共有なのか意思決定なのかを伝え、ゴール達成に必要な論点を洗い出し、結論につながる順番と現実的な時間配分に整理することで、論点の散らかりにくいアジェンダに近づけられます。作成したアジェンダは、ゴールとのつながりや時間配分の現実性を確認したうえで、会議前に必要な調整を加えてから使用してください。AIによる業務改善の全体像は、AIで業務改善する方法で解説しています。
とくに気をつけたいのは2点です。ひとつは、議題に時間を均等配分しないこと。比較の議題が延びたぶんは、最後に置いた決定の議題から削られます。もうひとつは、ゴールに数を入れること。「施策を決める」ではなく「1つ決める」と書けば、2つ目の議論を次回に回せます。
よくある質問
Q. 議題が多すぎて会議時間に収まりません。どうすればよいですか。
優先度の低い議題を削るか、次回の会議へ持ち越すことをChatGPTに相談すると、時間内に収まる現実的なアジェンダに調整しやすくなります。削る順番は、報告が先、次に「できれば話したいこと」で、決定の議題は最後まで残します。
Q. 毎回同じような会議のアジェンダを作る場合、効率よく進める方法はありますか。
定例会議など形式が決まっている場合は、過去に使ったアジェンダの型をChatGPTに伝えておくと、次回以降のたたき台作成がスムーズになります。