プロジェクトを進める中で、誰にいつ何を伝えればよいのか整理できず、報告が漏れたり逆に過剰になったりしてしまう、という経験はないでしょうか。関係者ごとに必要な情報を整理しないまま連絡してしまうと、重要な情報が届くべき人に届かず、後になって認識のずれが表面化してしまう恐れがあります。
この記事では、コミュニケーション計画を作る前に整理しておきたいプロジェクト情報から、ChatGPTでの情報共有する相手の整理、相手ごとの共有内容の決め方、共有の頻度とタイミング、共有手段の選び方、担当者と責任の決め方、コミュニケーション計画表へのまとめ方、そしてプロジェクト進行に合わせた見直し方までを順番に解説します。読み終える頃には、報告漏れや過不足を減らすコミュニケーション計画を作れる状態になります。
コミュニケーション計画を作る前にプロジェクト情報を整理する
ChatGPTに依頼する前に、計画のもとになるプロジェクト情報を整理しておきます。
プロジェクトの目的とゴールを確認する
このプロジェクトが何を目指しているのか、目的とゴールを確認します。目的が共有されていないと、関係者ごとに必要な情報の判断がぶれます。
関わる部署や役割を洗い出す
このプロジェクトに関わる部署や役割を洗い出します。関係する範囲を把握しないまま計画を作ると、後から必要な相手が抜け落ちていたことに気づきます。
抜けやすいのは、作業はしないが影響を受ける部署です。システムを切り替える側は把握していても、切り替わった後に使う側が漏れます。
プロジェクトの進行フェーズを確認する
現在のプロジェクトがどの進行フェーズにあるかを確認します。フェーズによって必要な情報共有の内容や頻度は変わるため、現状の把握が欠かせません。
ChatGPTで情報共有する相手を整理する方法
プロジェクト情報が整理できたら、ChatGPTを使って情報共有する相手を整理します。
関係者と決定権を渡すと、共有相手が整理されます。以下はAIに送るプロンプトです。コピペして使ってください。
あなたはプロジェクト管理の経験がある担当者です。次のプロジェクトで情報共有すべき相手を整理してください。
・プロジェクトの内容:受注管理の運用を切り替える、期間4か月
・関係者と立場:推進担当2名、営業部の利用者8名、情報システム1名、役員1名
・決定権を持つ人:役員(予算と期限)、営業部長(運用ルール)
・影響を受ける部署:経理部(請求の締め日が変わる)
・出力:「共有相手/その人が必要とする情報/共有しないと起きること」を1行ずつ書く
・条件:全員へ同じ情報を送る形にはしないでください。渡していない関係者を追加しないでください。
プロジェクトに関わる人を洗い出す
このプロジェクトに関わるすべての人を洗い出します。洗い出しが不十分だと、後になって連絡が届いていなかった相手が見つかります。
意思決定に関わる人とそうでない人を分ける
洗い出した人の中から、意思決定に関わる人とそうでない人を分けます。両者を同列に扱うと、報告の重みづけが適切にできません。
分ける基準は「この人の判断を待つ工程があるか」です。意見を聞く相手と、承認を待つ相手は別に扱います。
直接の関係者と間接的な関係者を分ける
プロジェクトに直接関わる関係者と、間接的に影響を受ける関係者を分けます。間接的な関係者への配慮が抜けると、後になって知らされていなかったという不満につながります。
ここが最も間違いの起きる場所です。間接的な関係者は作業に関わらないため、関係者一覧に載りません。載っていない相手には報告の予定も立たないので、切り替えの直前に初めて知らされることになります。例に挙げた経理部のように、締め日が変わる部署は作業をしませんが、変わってから知ると対応できません。関係者を洗い出すときは、作業する人ではなく影響を受ける人で数えます。
相手ごとに共有する内容を決める方法
共有相手が整理できたら、相手ごとに共有する内容を決めます。
相手の判断内容を渡すと、送る情報が絞れます。以下はAIに送るプロンプトです。コピペして使ってください。
あなたはプロジェクト管理の経験がある担当者です。次の相手それぞれに共有する内容を決めてください。
・共有相手と立場:役員、営業部長、営業部の利用者、情報システム、経理部
・各相手が判断すること:役員は予算と期限、営業部長は運用ルール、利用者は自分の作業手順、情報システムは設定作業、経理部は締め日の対応
・プロジェクトで発生する情報:進捗、課題、決定事項、作業依頼、切り替え日の確定
・出力:相手ごとに「共有する内容/共有しない内容/その判断理由」を書く
・条件:相手が判断に使わない情報は共有対象から外してください。
相手ごとに必要な情報の粒度は、次のように分かれます。
| 共有相手 | その人が判断すること | 送る情報の粒度 |
|---|---|---|
| 役員 | 予算と期限を続けるか | 期限に間に合うかの見通しだけ |
| 営業部長 | 運用ルールを決める | 課題と選択肢、決めてほしい期限 |
| 利用者 | 自分の作業をいつ変えるか | 変わる手順と切り替え日 |
| 影響を受ける部署 | 自部署の対応をいつ始めるか | 自部署に関わる変更点と時期 |
相手が知りたい情報の粒度を考える
相手ごとに、どの程度の詳しさで情報を知りたいと考えているかを検討します。誰に対しても同じ粒度で伝えると、詳細を求める人には不足し、概要でよい人には過剰になります。
相手の役割に関係する情報に絞る
相手の役割に直接関係する情報を中心に、共有内容を絞り込みます。関係の薄い情報まで含めると、本当に重要な情報が埋もれます。
判断や対応が必要な内容を明確にする
相手に判断や対応を求める内容がある場合は、それを明確に示します。単なる報告と、対応が必要な依頼を区別しないと、重要な依頼が見過ごされます。
件名か冒頭に「要判断」「情報共有のみ」と付けるだけで足ります。会議のあとに相手ごとの連絡文を作る手順は、ChatGPTで議事録からフォローアップメールを作る方法で解説しています。
情報共有の頻度とタイミングを決める方法
共有内容が決まったら、頻度とタイミングを決めます。
意思決定のタイミングに合わせると、報告が空振りしません。以下はAIに送るプロンプトです。コピペして使ってください。
あなたはプロジェクト管理の経験がある担当者です。次の共有相手について頻度とタイミングを決めてください。
・共有相手と共有内容:役員は見通し、営業部長は決めてほしい事項、利用者は手順と切り替え日、経理部は締め日の変更点
・プロジェクトの工程とマイルストーン:準備1か月/設定1か月/試行1か月/切り替え1か月
・相手が判断するタイミング:役員は毎月の経営会議、営業部長は随時、利用者は切り替えの2週間前
・出力:相手ごとに「頻度/どのタイミングで/何をもって送るか」を書く
・条件:定例だけに頼らず、判断が必要になる時点を含めてください。
定期報告が必要な相手を決める
定期的な報告が必要な相手を決めます。すべての相手に同じ頻度で報告しようとすると、重要度の高い相手への対応が薄くなります。
状況変化時に即時共有すべき内容を決める
状況に変化があった際、即座に共有すべき内容をあらかじめ決めておきます。基準がないまま進めると、共有すべきタイミングを逃します。
基準は条件の形で書きます。「切り替え日が動く」「追加費用が出る」「他部署の作業が必要になる」の3つなら、迷いません。
報告のタイミングを業務の節目に合わせる
報告のタイミングを、会議や工程の節目など業務の区切りに合わせます。節目と関係のないタイミングで報告すると、相手が状況を理解する準備ができていない場合があります。
決定を仰ぐ相手の場合は、会議の日程から逆算します。月1回の会議なら、前週に資料を出せないと1か月待つことになります。
相手に合う共有手段を選ぶ方法
頻度とタイミングが決まったら、相手に合う共有手段を選びます。
相手が普段使っている手段を確認する
相手が日常的にどのような連絡手段を使っているかを確認します。普段使っていない手段で連絡すると、情報を見落とされます。
内容の重要度に応じて手段を使い分ける
情報の重要度に応じて、使用する連絡手段を使い分けます。重要な内容を軽い手段だけで伝えると、相手に十分な重みで受け止めてもらえません。
記録を残すべき内容の手段を決める
後から参照できる記録として残すべき内容については、記録が残る手段を選びます。口頭だけで済ませると、後から内容を振り返る手立てがなくなります。
記録が必要なのは、決定事項と、相手に依頼した作業です。この2つは口頭で合意した後でも文面にして送ります。
情報共有の担当者と責任を決める方法
共有手段が決まったら、担当者と責任を決めます。
誰が情報発信の責任を持つか決める
各共有事項について、誰が発信の責任を持つのかを決めます。責任者が曖昧なままでは、共有すべき情報が担当者不在のまま滞ります。
担当者不在時の代行ルールを決める
担当者が不在の場合に、誰が代わりに対応するのかを決めておきます。代行ルールがないと、その間に重要な共有が止まります。
共有漏れが起きた際の対応方法を決める
万が一共有漏れが起きてしまった場合の対応方法を決めておきます。あらかじめ決めておくことで、実際に漏れが起きた際に落ち着いて対処できます。
決めるのは、気づいた人がすぐ送ってよいかどうかです。発信者を1人に限る運用だと、漏れに気づいても止まります。
ChatGPTでコミュニケーション計画表へまとめる方法
担当者と責任が決まったら、ChatGPTを使って計画表へまとめます。
相手・内容・頻度・手段を一覧化する
整理した相手、共有内容、頻度、手段を一覧の形にまとめます。個別に管理するのではなく、一覧にすることで全体の抜け漏れを確認しやすくなります。
ここまでで決めた内容を渡して、計画表の形で出させます。以下はAIに送るプロンプトです。コピペして使ってください。
あなたはプロジェクト管理の経験がある担当者です。次の内容をコミュニケーション計画表にまとめてください。
・共有相手:役員、営業部長、営業部の利用者8名、情報システム、経理部
・相手ごとの共有内容と粒度:役員は期限の見通し、営業部長は決めてほしい事項、利用者は手順と切り替え日、情報システムは設定依頼、経理部は締め日の変更点
・頻度とタイミング:役員は毎月の経営会議の前週、営業部長は随時、利用者は切り替えの2週間前、経理部は切り替え日が確定した時点
・即時共有の条件:切り替え日が動く、追加費用が出る、他部署の作業が必要になる
・出力:「共有相手/共有内容/頻度・タイミング/手段/担当者/代行者」の列で1行ずつ並べる。そのあとに即時共有の条件を別枠で書く
・条件:列は6つに収めてください。渡していない相手や条件を追加しないでください。担当者が決まっていない行は「担当未定」と書いてください。
担当者と代行者を対応させて記載する
各共有事項に、担当者と代行者を対応させて記載します。対応関係が一目で分かる形にしておくことで、実際の運用時に迷わず対応できます。
関係者が参照しやすい場所に置く
まとめた計画表を、関係者が必要なときに参照しやすい場所に置きます。作成しただけで共有されなければ、計画表としての役割を果たせません。
プロジェクト進行に合わせて計画を見直す方法
計画表がまとめられたら、最後に進行に合わせた見直し方法を確認します。
フェーズが変わるタイミングで見直す
プロジェクトのフェーズが変わるタイミングで、計画の内容を見直します。内容を固定したままにすると、実態に合わない共有が続きます。
試行から切り替えへ移る時点で、共有相手が入れ替わります。設定作業の依頼が終わり、利用者への案内が中心になります。
関係者の増減に応じて更新する
プロジェクトに関わる関係者が増減した際は、その都度計画を更新します。更新を怠ると、すでに関わっていない人へ共有を続けたり、新しい関係者への共有が漏れたりします。
実際の運用結果から改善点を反映する
計画通りに運用してみた結果を踏まえ、改善点を計画へ反映します。作成した時点の計画にこだわらず、実際の運用に合わせて調整を続けることが大切です。
反映の材料になるのは、問い合わせの内容です。同じ質問が複数の相手から来たら、その情報は共有できていません。
まとめ
ChatGPTでコミュニケーション計画を作る際は、プロジェクト情報を整理したうえで、情報共有する相手を整理することが大切です。相手ごとの共有内容や頻度、手段を決め、担当者と責任を明確にして計画表へまとめたうえで、進行に合わせて見直すことで、報告漏れや過不足を減らせる計画に仕上げられます。
とくに気をつけたいのは2点です。ひとつは、関係者を作業する人ではなく影響を受ける人で数えること。作業しない部署は一覧に載らず、変更の直前に初めて知らされることになります。もうひとつは、即時共有の条件を先に決めておくこと。「切り替え日が動く」のような条件の形にしておけば、送るかどうかで迷いません。
まずはこのプロジェクトが何を目指しているのか、目的とゴールを確認するところから始めてみてください。プロジェクト管理全体でのAI活用は、AIでプロジェクト管理を効率化する方法で解説しています。