プロジェクトを進める中で、思わぬトラブルが発生してから対応を検討することになり、後手に回ってしまった経験はないでしょうか。リスクを事前に洗い出して整理しておかないと、いざというときに何から対応すればよいのか判断に時間がかかってしまいます。
この記事では、リスク管理表を作る前に決めておきたい対象範囲から、ChatGPTでのプロジェクトリスクの洗い出し、発生確率と影響度の評価、優先して監視するリスクの決め方、対応策と兆候の整理、担当者と確認時期の決め方、そして作成したリスク管理表の継続的な更新方法までを順番に解説します。読み終える頃には、ChatGPTを使って優先して監視すべきリスクを判断できる状態になります。
リスク管理表を作る前に対象範囲を決める
ChatGPTに洗い出しを依頼する前に、リスク管理表の対象範囲を決めておきます。
対象プロジェクトと期間を明確にする
まず、リスク管理表の対象とするプロジェクトと、扱う期間を明確にします。対象範囲があいまいなままでは、洗い出すべきリスクの粒度も定まりません。
前提条件と制約を整理する
プロジェクトの前提条件と、予算や人員などの制約を整理します。前提や制約を把握しておくことで、その条件が崩れた場合にどのような影響が出るかを検討しやすくなります。
リスクとすでに発生した課題を分ける
これから発生する可能性のあるリスクと、すでに発生している課題を分けます。両者を混同すると、未然に防ぐべき事項と、今すぐ対応すべき事項の区別がつかなくなってしまいます。
ChatGPTでプロジェクトリスクを洗い出す方法
対象範囲が決まったら、ChatGPTを使ってリスクを洗い出します。
計画の前提を渡すと、それが崩れる場面が挙がります。
あなたはプロジェクト管理の経験がある担当者です。次の計画について、起こりうるリスクを洗い出してください。・計画の概要と工程:〇〇 ・計画が成り立つ前提:〇〇 ・関わる部署と外部の相手:〇〇出力はリスクごとに「どの工程で/何が起きると/計画のどこに影響するか」を1行で書いてください。発生確率の数値は付けないでください。
計画・人員・技術・外部要因から候補を出す
計画、人員、技術、外部要因といった観点からリスクの候補を出します。一つの観点だけで考えると、他の領域に潜むリスクを見落としてしまうことがあります。
原因・事象・影響を分けて記述する
洗い出したリスクについて、原因、実際に起こる事象、そしてその影響を分けて記述します。三つを分けて整理することで、リスクの構造を正確に把握しやすくなります。
一般論だけのリスクを対象プロジェクトに具体化する
一般的なリスクの例をそのまま採用するのではなく、対象プロジェクトの状況に合わせて具体化します。抽象的なリスクのままでは、後で対応策を検討する際に手がかりが得られません。
リスクの発生確率と影響度を評価する方法
リスクが洗い出せたら、それぞれの発生確率と影響度を評価します。
過去の経験を渡すと、評価の根拠が示せます。
あなたはプロジェクト管理の経験がある担当者です。次のリスクを評価してください。・リスクの一覧:〇〇 ・過去に同様のことが起きた頻度:〇〇 ・起きた場合の遅れや費用:〇〇出力はリスクごとに「発生しやすさ/影響の大きさ/その判断の根拠」を書いてください。根拠のない数値は付けず、判断材料がない場合は「情報不足」と書いてください。
発生確率の評価基準を揃える
発生確率を評価する際の基準を、リスク間で揃えます。評価基準がリスクごとにばらついていると、後で優先順位を比較する際に公平な判断ができなくなります。
影響度の評価基準を揃える
影響度についても、同様に評価基準を揃えます。基準がそろっていれば、異なる種類のリスク同士でも影響の大きさを比較しやすくなります。
評価の根拠を記録する
発生確率や影響度をどのような根拠で評価したのかを記録しておきます。根拠が残っていれば、後から評価を見直す際にも判断の経緯を振り返りやすくなります。
優先して監視するリスクを決める方法
発生確率と影響度が評価できたら、優先して監視すべきリスクを決めます。
発生確率と影響度を組み合わせて比較する
発生確率と影響度を組み合わせて、リスク同士を比較します。どちらか一方だけで判断すると、実際には重要なリスクを見落としてしまうことがあります。
重大な影響を持つリスクを見落とさない
発生確率は低くても、発生した場合の影響が重大なリスクを見落とさないようにします。発生頻度の低さだけを理由に軽視すると、実際に発生した際の対応が後手に回ってしまいます。
優先順位を人が最終判断する
評価結果をもとにした優先順位を、最終的には人が判断します。数値による評価はあくまで判断材料であり、プロジェクトの状況を踏まえた最終判断は人が行うことが大切です。 人が下した優先順位の判断を記録として残す方法は、ChatGPTでプロジェクトの決定事項を管理する方法で解説しています。
リスクごとの対応策と兆候を整理する方法
優先順位が決まったら、リスクごとに対応策と発生の兆候を整理します。
兆候を先に決めておくと、顕在化の前に動けます。
あなたはプロジェクト管理の経験がある担当者です。次のリスクについて、対応策と兆候を整理してください。・優先度の高いリスク:〇〇 ・使える対応の選択肢:〇〇 ・判断できる人:〇〇出力はリスクごとに「起きる前に気づける兆候/兆候が出たときの対応/実際に起きたときの対応」を書いてください。
発生を避けるための予防策を整理する
リスクの発生そのものを避けるための予防策を整理します。これがあらかじめ用意されていれば、リスクの顕在化を未然に防げる可能性が高まります。
発生した場合の対応策を整理する
万一リスクが発生してしまった場合の対応策も整理しておきます。予防策だけでなく発生後の備えも用意しておくことで、実際に問題が起きた際の対応スピードが変わってきます。
早期に気付くための兆候を決める
リスクが顕在化する前に気づくための兆候を決めます。兆候を把握しておくことで、深刻化する前の早い段階で対応に着手しやすくなります。
リスクの担当者と確認時期を決める方法
対応策と兆候が整理できたら、リスクごとの担当者と確認時期を決めます。
各リスクの監視担当を決める
それぞれのリスクについて、監視を担当する人を決めます。担当者が決まっていないリスクは、実際には誰も注意を払わないまま放置されてしまうことがあります。
対応を開始する条件を決める
対応策を実行に移す条件をあらかじめ決めておきます。条件が明確であれば、兆候が現れた際に迷わず対応を開始できます。
定期的な確認タイミングを決める
リスクの状況を定期的に確認するタイミングを決めます。確認の機会が定まっていないと、リスクの状況が変化していても気づかないまま時間が経ってしまうことがあります。
作成したリスク管理表を継続的に更新する方法
リスク管理表が完成したら、プロジェクトの進行にあわせて継続的に更新します。
新しいリスクを追加する
プロジェクトの進行に伴って新たに見えてきたリスクを追加します。リスク管理表は一度作って終わりではなく、状況の変化に応じて更新し続けるものとして扱うことが大切です。
評価や対応状況を見直す
既存のリスクについて、評価や対応状況に変化がないかを見直します。状況が変わったにもかかわらず古い評価のまま残しておくと、実態と合わない優先順位になってしまいます。
終了したリスクを記録して管理対象から外す
発生する可能性がなくなったリスクは、記録として残したうえで管理対象から外します。不要になったリスクを残したままにすると、本当に注視すべきリスクが埋もれてしまいます。
まとめ
ChatGPTでリスク管理表を作る際は、対象範囲を決めたうえでリスクを洗い出し、発生確率と影響度を評価することが大切です。優先して監視するリスクを決めて対応策と兆候を整理し、担当者と確認時期を定めて継続的に更新することで、実務で機能するリスク管理表に仕上げられます。
まずはリスク管理表の対象とするプロジェクトと期間を、明確にするところから始めてみてください。 プロジェクト管理全体でのAI活用は、AIでプロジェクト管理を効率化する方法で解説しています。