プロジェクトで何かを決めても、後になってなぜその判断をしたのか思い出せず、経緯を説明できずに困ってしまう、という経験はないでしょうか。決定した内容だけを記録して理由や背景を残さないでいると、状況が変わった際に見直すべきかどうかを判断できなくなってしまいます。
この記事では、決定事項を管理する目的を決めることから、ChatGPTでの議事録からの決定事項の抽出、決定理由と前提の整理、影響範囲の整理、承認者と決定日の記録、関連タスクとの紐付け、検索・追跡しやすい管理方法、そして変更や撤回の履歴管理までを順番に解説します。読み終える頃には、後から経緯を追える決定ログとして管理できる状態になります。
プロジェクトの決定事項を管理する目的を決める
ChatGPTに依頼する前に、決定事項をなぜ管理するのか目的を決めておきます。
誰が決定ログを参照するのかを決める
作成する決定ログを、主に誰が参照することを想定するのかを決めます。参照する人が明確でないと、記録すべき詳しさのレベルを判断しにくくなります。
どこまでを記録対象にするか決める
プロジェクトの中で発生する判断のうち、どこまでを記録の対象とするかを決めます。すべての判断を記録しようとすると、かえって重要な決定が埋もれてしまう恐れがあります。
記録の更新頻度を決める
決定ログをどのくらいの頻度で更新するのかを決めます。更新のタイミングを決めておかないと、記録が後回しにされ、詳細を忘れてしまう恐れがあります。
ChatGPTで決定事項を議事録から抽出する方法
目的が決まったら、ChatGPTを使って議事録から決定事項を抽出します。
決定と検討中を分けさせると、記録の精度が上がります。
あなたはプロジェクトの記録管理に慣れた担当者です。次の議事録から決定事項を抽出してください。・議事録:〇〇 ・会議の目的:〇〇 ・参加者:〇〇出力は「決定内容/決定した日/発言から読み取れる決定者」を1行ずつ書いてください。決定と読み取れない発言は含めず、判断が微妙なものは分けて挙げてください。
議事録から確定した判断だけを抜き出す
議事録の中から、実際に確定した判断だけを抜き出します。検討中の内容まで決定事項として扱ってしまうと、後から混乱を招く原因になります。
発言と決定を区別して抽出する
個人の発言や意見と、会議として決定した内容を区別して抽出します。両者を混同すると、実際には決まっていないことを決定事項として記録してしまう恐れがあります。
抽出結果を議事録と突き合わせる
ChatGPTが抽出した内容を、元の議事録と突き合わせて確認します。抽出の過程で誤った解釈が含まれていないかを確認することが欠かせません。
突き合わせる元の議事録が発言どおりに残っていないと、この確認そのものができません。Nottaのように発言を文字起こしして残すツールを使っておくと、決定の根拠を後から辿れます。
決定した理由と前提を整理する方法
決定事項が抽出できたら、その理由と前提を整理します。
理由を記録させると、後から見直すときに使えます。
あなたはプロジェクトの記録管理に慣れた担当者です。次の決定について、理由と前提を整理してください。・決定内容:〇〇 ・議論の経過:〇〇 ・検討したが採用しなかった案:〇〇出力は「決定内容/その決定にした理由/前提としていた条件/採用しなかった案とその理由」を書いてください。前提が変わったら見直すべき点も示してください。
なぜその判断に至ったのかを記録する
その決定に至った理由を、背景を含めて記録します。結論だけを残すと、後から見返した際になぜそう決めたのかが分からなくなってしまいます。
判断時点で前提としていた条件を記録する
その判断を行った時点で、前提としていた条件を記録します。前提条件を残しておくことで、状況が変わった際に判断の妥当性を見直しやすくなります。
検討した他の選択肢があれば記録する
その決定を行う際に検討した、他の選択肢があれば記録します。選択肢の比較が残っていると、後から別の案を再検討する際の参考になります。
決定による影響範囲を整理する方法
理由と前提が整理できたら、その決定による影響範囲を整理します。
影響先を洗い出させると、連絡漏れを防げます。
あなたはプロジェクトの記録管理に慣れた担当者です。次の決定の影響範囲を整理してください。・決定内容:〇〇 ・現在の計画と成果物:〇〇 ・関わっている部署と担当者:〇〇出力は「影響を受けるもの/どう変わるか/誰に伝える必要があるか」を1行ずつ書いてください。
影響を受ける業務やタスクを特定する
その決定によって、影響を受ける業務やタスクを特定します。範囲を把握しないまま進めると、関係する担当者への周知が漏れてしまう恐れがあります。
影響を受ける関係者を特定する
その決定の影響が及ぶ関係者を特定します。関係者を特定しておくことで、必要な連絡や調整を行うべき相手が明確になります。
影響の大きさを判断する
その決定がもたらす影響の大きさを判断します。影響の大小を把握しておくことで、優先して対応すべき事項を見極めやすくなります。
承認者と決定日を記録する方法
影響範囲が整理できたら、承認者と決定日を記録します。
誰が最終承認したのかを明記する
その決定を最終的に承認した人を明記します。承認者が記録されていないと、後から責任の所在を確認できなくなってしまいます。
決定した日付を正確に残す
決定が行われた日付を正確に記録します。それが曖昧なままでは、他の出来事との前後関係を確認できなくなってしまいます。
承認に至るまでの経緯も残す
承認に至るまでにどのような経緯があったのかも、あわせて記録します。承認結果だけでなく、そこに至る過程を残すことで、後から状況を正確に把握できます。
決定事項と関連タスク・変更を紐付ける方法
承認者と決定日が記録できたら、関連するタスクや変更と紐付けます。
決定事項から派生したタスクを紐付ける
その決定から派生して発生したタスクを、決定事項と紐付けて記録します。紐付けがないと、なぜそのタスクが発生したのかを後から追いにくくなります。
関連する仕様変更を紐付ける
その決定に関連して発生した仕様変更を紐付けます。決定と変更の対応関係が分かることで、変更の妥当性を後から確認しやすくなります。
関連する他の決定事項とのつながりを示す
その決定と関係する、他の決定事項とのつながりを示します。決定同士のつながりが分かると、プロジェクト全体の判断の流れを把握しやすくなります。
決定事項を検索・追跡しやすい形で管理する方法
紐付けができたら、決定事項を検索・追跡しやすい形で管理します。
決定事項ごとに分類やタグを付ける
決定事項を、テーマや領域ごとに分類やタグ付けします。分類しておくことで、必要な決定事項を後から探しやすくなります。
検索しやすいキーワードを含めて記録する
決定事項の記録に、検索の際に使いそうなキーワードを含めておきます。関連する言葉を含めておくことで、必要なときに素早く探し出せます。
一覧から個別の詳細へたどれる構成にする
決定事項の一覧から、個々の詳細情報へたどれる構成にします。一覧だけでは把握しきれない詳細を、必要なときに確認できる状態にしておくことが大切です。
決定内容の変更や撤回を履歴として残す方法
管理方法が決まったら、最後に変更や撤回があった場合の履歴管理方法を確認します。
変更・撤回した事実を消さずに残す
決定内容を変更したり撤回したりした場合も、その事実を消さずに履歴として残します。過去の記録を消してしまうと、なぜ変更に至ったのかを後から確認できなくなってしまいます。
変更・撤回の理由を記録する
決定を変更または撤回した理由を記録します。理由が残っていれば、同じような判断を今後行う際の参考になります。
最新の決定内容がどれか分かるようにする
複数回の変更があった場合でも、現在有効な最新の決定内容がどれか分かるようにしておきます。履歴が積み重なるほど、最新情報が埋もれやすくなるため注意が必要です。
まとめ
ChatGPTでプロジェクトの決定事項を管理する際は、管理の目的を決めたうえで、議事録から決定事項を抽出することが大切です。決定理由や影響範囲、承認者を記録し、関連タスクと紐付けて検索・追跡しやすい形で管理したうえで、変更や撤回も履歴として残すことで、後から経緯を追える決定ログに仕上げられます。
まずは作成する決定ログを、主に誰が参照することを想定するのかを決めるところから始めてみてください。 プロジェクト管理全体でのAI活用は、AIでプロジェクト管理を効率化する方法で解説しています。