会議のたびにメモを取り、終わってから議事録に起こす。この往復をなくしたいが、パソコンを開いてアプリを立ち上げる手順が増えるなら結局続かない。Plaudのような録音デバイスは、この「始めるまでの手間」を小さくするための道具です。
この記事では、Plaudの初期設定から、対面とオンラインそれぞれの録音方法、文字起こしと要約、そして業務で使える記録に整えるところまでを順に説明します。本文中の仕様は2026年9月時点の公式サイトの記載に基づきます。
Plaudで会議を記録する前の準備
届いてすぐ本番の会議に持ち込むと、録音が始まっていない、音が遠いといった理由で記録が残りません。最初に3つ済ませます。
本体とアプリの初期設定
まず本体を充電し、スマートフォンにアプリを入れてアカウントを作り、本体とアプリを連携します。連携が済んでいないと、録音はできても文字起こしへ渡せません。
連携のあとに確認するのが、文字起こしの言語設定です。初期値が自分の使う言語とは限らず、設定がずれたまま録音すると、出力されたテキストが会議の内容とまったく対応しない状態になります。設定画面を開いて、実際に使う言語になっているかをこの段階で確かめてください。本体の種類によって対応する録音方式や装着方法が異なるため、自分が買った製品の対応範囲はPlaudの公式ページで確認しておきます。
録音してよい会議かを確認する
録音は、参加者に伝えたうえで行います。会議の冒頭に「今日は記録のために録音します」と一言添えるだけで構いません。社外の相手が入る会議では、その場で同意を得るところまでを手順に含めてください。
あわせて確認するのが、社内のルールです。録音データはアプリを通じて外部のサービスで処理されます。人事、法務、経営判断に関わる会議は、内容が外部へ渡ること自体が問題になる場合があります。線引きの考え方は生成AIに入力してはいけない情報とは?で整理しています。
会議の種類に合う録音モードを選ぶ
会議の形によって、適した録り方が変わります。目の前の会話を拾う場合と、通話の音声を取り込む場合では、本体の置き方も設定も別です。
| 会議の形 | 向く録り方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 対面の打ち合わせ | 机上に設置または装着 | 話者との距離と雑音 |
| スマートフォンの通話 | 端末と連携して通話を記録 | 相手への事前の断り |
| パソコンのWeb会議 | 会議ツール側の録画を併用 | 二重に音を拾わない |
迷った場合は、対面は本体、画面の中で完結する会議は会議ツール側の録画、と分けるのが確実です。
対面の打ち合わせを録音する手順
対面はこの製品が最も力を発揮する場面です。手順そのものは短く、置き方だけが結果を左右します。
本体を装着または設置して録音を開始する
会議が始まる直前に録音を開始します。開始したことを示す表示やランプを目で確認してから席に着いてください。開始したつもりで録れていない、という失敗がいちばん多く起きます。
装着して使うタイプであれば、服の襟元など口に近い位置に付けます。机に置くタイプであれば、資料やカバンの陰にならない位置に出しておきます。ポケットの中や書類の下は、布や紙が音を遮るため避けます。
複数人の会話を拾いやすい置き方
置き方の基本は、いちばん遠い参加者との距離を縮めることです。長机であれば中央よりやや奥、コの字の配置であれば開いている側の中央に置きます。参加者が5人を超えて距離が開く場合は、全員から等距離を狙うより、発言が多い人の側へ寄せたほうが結果は安定します。
雑音源の上に置かないことも同じくらい効きます。空調やプロジェクターのように鳴り続ける音は、話し声と重なった区間をまるごと聞き取れなくします。本体のすぐ横で紙をめくる音やキーボードを打つ音が出る配置も、同じ理由で避けてください。
録音を区切って議題ごとに分ける
議題が切り替わるタイミングで録音を区切っておくと、後の整理が短く済みます。1本にまとめてしまうと、要約を出したあとで「この決定はどの議題のものか」を探す作業が戻ってきます。
決まったことは、その場で言葉にして残します。議論のなかで合意した内容は、はっきり宣言されないまま次の議題へ進むことがよくあります。「この件は〇〇さんが対応、期限は月末、で合っていますか」と確認を挟めば、担当と期限が一つの発言のなかに入り、要約でも拾われます。
オンライン会議の音声を記録する手順
画面の中で行う会議は、対面とは別の経路で音を取り込みます。製品と環境によって使える方法が違うため、事前に確かめてから本番で使ってください。
スマートフォン経由で通話音声を取り込む
スマートフォンの通話を記録する場合は、本体を端末と連携させた状態で通話を行います。相手の音声を含む記録になるため、通話の冒頭で録音することを伝えてください。
取り込みが成功しているかは、通話を終えてすぐアプリで確認します。自分の声だけが入っていて相手の声が入っていない、という状態は起こり得ます。1回テストしてから業務の通話で使ってください。
パソコンのWeb会議音声を録音する
パソコンで行うWeb会議は、会議ツール側の録画機能を使うほうが確実です。スピーカーから出た音を本体で拾い直す形になると、音質が落ちて文字起こしの精度に響きます。
会議ツールで録画したファイルは、音声として書き出してアプリへ渡せます。ZoomやTeams、Google Meetそれぞれの録画と書き出しの手順はWeb会議の録音から議事録を作る手順で解説しています。
録音漏れを防ぐ事前確認
本番前に確認するのは3点です。本体の充電が残っているか、空き容量があるか、直前の録音が正しく終了しているか。この3つのどれかが欠けていると、会議中は正常に見えても記録が残りません。
長い会議の前は、開始から数分たった時点で一度だけ手元で確認します。会議の途中で気づけば録り直せますが、終わってから気づくと打つ手がありません。
録音データを文字起こしして要約する
録音が取れたら、テキストと要約に変えます。ここからはアプリ側の作業です。
アプリへ同期して文字起こしする
録音が溜まる前に、当日のうちにアプリ側へ取り込んでおきます。数日分をまとめて処理すると、どの録音がどの会議だったかを思い出すところから始めることになり、誤変換を見つける精度も落ちます。
出てきたテキストは、通して読む必要はありません。見るのは、このあとの要約に影響する固有名詞と数値だけです。語尾や助詞のずれは、要点をまとめる工程では結果に影響しません。
要約テンプレートを選んで出力する
Plaudのアプリには、用途別の要約テンプレートが用意されています。同じ録音でも、選ぶテンプレートによって出てくる形が変わります。
選び方の基準は、その記録を誰が読むかです。自分の備忘なら要点を並べた形で足り、上長へ報告するなら決定事項と次の行動が前に出る形が要ります。テンプレートの種類と対応する内容は更新されるため、実際に選べる選択肢はPlaudの公式ページとアプリの画面で確認してください。
出力結果を元の録音と照合する
要約はそのまま使わず、必ず元の文字起こしと突き合わせます。特に確認するのは、金額、期限、担当者の3つです。この3つが誤っていると、記録としての意味がなくなります。
照合は全文を読み直す必要はありません。要約に出てきた数字と人名だけを文字起こし側で検索し、一致しているかを見れば済みます。5分もかかりません。
作った記録を業務で使える形に整える
最後に、他の人が読んで動ける形にします。ここは自動化しきれず、判断が要る工程です。
固有名詞と数値を修正する
社名、製品名、部署名、人名は誤変換が残りやすい語です。同じ語が別々の表記に割れていることもあるため、直す前に一度どう変換されているかを一覧で確認してから置換すると取りこぼしが減ります。
数値は、単位まで含めて確認します。「50万」が「5万」になっている、「来月末」が「来週末」になっているといった誤りは、読んだ人が気づけません。金額と期限は、録音を聞き直してでも確かめる価値があります。
決定事項と宿題を分けて書き出す
会議の記録で最も使われるのは、決まったことと、決まらずに持ち帰った宿題です。この2つが混ざっていると、読んだ人が何をすべきか判断できません。AIに整理させる場合は、切り分けを明示して指示します。
あなたは社内会議の記録を整理する担当者です。以下は会議の文字起こしです。内容を「この会議で決定したこと」と「決まらず持ち帰りになったこと」の2つに分けて、それぞれ箇条書きで書き出してください。どちらにも当てはまらない雑談は含めないでください。該当がない側は「なし」と書いてください。
〇〇(文字起こしを貼り付け)
持ち帰りになった項目は、次に誰がいつまでに何を確認するのかまで決めておかないと、次の会議で同じ議論が繰り返されます。
あなたは社内会議の記録を整理する担当者です。以下の持ち帰り事項について、次の会議までに必要な確認作業を「確認すること/確認する相手/期限」の3列の表にしてください。文字起こしから読み取れない欄は「未定」と書き、推測で埋めないでください。
〇〇(持ち帰り事項を貼り付け)
関係者へ共有する形式を選ぶ
共有の形は、相手が読む場所に合わせます。チャットへ流すなら3行程度、メールで送るなら決定事項と次の行動を見出しで分けた形、保管するなら日付と参加者を含む定型が向きます。
チャット向けに短くする場合も、指示で長さと項目を決めておくと結果が安定します。
あなたは社内会議の記録を整理する担当者です。以下の議事録を、社内チャットへ投稿する形に短くしてください。3行以内とし、1行目に決まったこと、2行目に次の行動と期限、3行目に未決事項を書いてください。元の議事録にない内容は加えないでください。
〇〇(議事録を貼り付け)
共有する前に、社外秘の発言が含まれていないかを確認します。文字起こしは会話をそのまま残すため、議事録には載せない発言まで入っていることがあります。録音を使わず手元のメモだけで議事録を組み立てる場合の手順はAIで議事録を作る方法で解説しています。
よくある質問
Q. 本体だけで文字起こしまでできますか? A. 録音は本体で行い、文字起こしと要約はアプリ側で処理します。アプリとの連携が前提になるため、対応する端末と必要な環境を公式サイトで確認してください。
Q. 文字起こしできる時間に上限はありますか? A. プランによって月に処理できる時間が決まっています。本体費用とプラン料金の関係はPlaudの料金と本体費用で整理しています。
Q. アプリ型のサービスと比べてどちらがよいですか? A. 記録したい会議が対面中心か画面上中心かで変わります。判断の材料はNottaとPlaudを比較で整理しています。
まとめ
Plaudで会議記録を作る流れは、本体とアプリを連携して言語を設定し、録音してよい会議かを確認したうえで、対面は本体・画面上の会議は会議ツール側の録画という形で記録し、アプリへ同期して文字起こしと要約を出し、固有名詞と数値を直してから決定事項と宿題に分けて共有する、という順序です。
結果を左右するのは、AIの性能より先に音の録れ方です。いちばん遠い参加者との距離を縮める、鳴り続ける雑音源の近くを避ける、議題ごとに区切るという3点だけで、後から直す量が変わります。
まずは社内の短い打ち合わせを1回記録して、自分の会議でどの程度直す必要があるかを確かめてください。会議の記録以外にどこを自動化できるかはAIで業務改善する方法で整理しています。