プロジェクトが進むにつれて、誰がどこまで責任を持つべきなのかが曖昧になり、確認や承認のたびに混乱が生じている、という経験はないでしょうか。役割が明確でないまま進めると、同じ作業を複数人が担当していたり、逆に誰も対応していない作業が残っていたりすることがあります。
この記事では、RACIを作る前に整理しておきたい作業と関係者から、Responsibleの実行担当の割り当て方、Accountableの最終責任者の決め方、ConsultedとInformedの整理方法、ChatGPTでのRACI表のたたき台作り、そして責任の抜けと重複の確認方法までを順番に解説します。読み終える頃には、ChatGPTを使って責任範囲が明確なRACI表を作れる状態になります。
目次
RACIを作る前に作業と関係者を整理する
ChatGPTに割り当てを依頼する前に、対象となる作業と関係者を整理しておきます。
RACIで整理する作業を一覧にする
まず、RACIとして整理したい作業を一覧にします。対象範囲があいまいなままでは、後で役割を割り当てる作業自体が進めにくくなります。
プロジェクトの関係者と役割を洗い出す
プロジェクトに関わる関係者と、それぞれが担っている役割を洗い出します。関係者の把握が不十分だと、後で割り当てを検討する際に候補から漏れてしまう人が出てきます。
組織上の役職と実際の役割を混同しない
組織上の役職と、実際にその作業で果たす役割を混同しないようにします。役職が高いからといって、その作業の実行担当や最終責任者とは限りません。
Responsibleの実行担当を割り当てる方法
作業と関係者が整理できたら、まず実際に作業を行う実行担当を割り当てます。
作業とメンバーを渡すと、担当の候補が整理されます。
あなたはプロジェクトの体制設計の経験がある担当者です。次の作業に実行担当を割り当ててください。・作業の一覧:〇〇 ・メンバーと役割:〇〇 ・各メンバーの稼働可能な時間:〇〇出力は作業ごとに「作業/実行担当/その人にした理由」を1行で書いてください。1人に偏っている場合は指摘してください。
役割を割り当てる前に関係者を洗い出すには、ChatGPTでステークホルダーを整理する方法|関係者・関心・影響度を可視化も参考になります。
実際に作業を行う人を特定する
各作業について、実際に手を動かして作業を行う人を特定します。誰が実行するのかを最初に明確にしておくことで、後続の役割整理も進めやすくなります。
複数担当が必要な作業か確認する
一人では完結せず、複数人の担当が必要な作業がないかを確認します。こうした作業を一人分として扱ってしまうと、実際の作業量とのずれが生じます。
実行担当が不在の作業をなくす
すべての作業に実行担当が割り当てられているかを確認し、担当が不在の作業をなくします。実行担当がいない作業は、実際には誰も進めないまま放置される可能性があります。
Accountableの最終責任者を決める方法
実行担当が決まったら、次に成果への最終責任を持つ人を決めます。
最終的に成果へ責任を持つ人を決める
各作業について、最終的な成果に責任を持つ人を決めます。実行担当が複数いる作業でも、最終責任は誰か一人が明確に持つ形にすることが望ましい状態です。
一つの作業で最終責任者を増やしすぎない
一つの作業に対して、最終責任者を増やしすぎないようにします。責任者が複数いると、問題が発生した際に誰が対応すべきかの判断が遅れてしまいます。
実行担当と最終責任の違いを明確にする
実際に作業を行う実行担当と、成果に責任を持つ最終責任者の違いを明確にします。両者が同一人物であることもありますが、常にそうとは限らないため、区別して整理することが大切です。
ConsultedとInformedを整理する方法
実行担当と最終責任者が決まったら、相談先と共有先を整理します。
相談先と共有先を分けさせると、連絡が過剰になりません。
あなたはプロジェクトの体制設計の経験がある担当者です。次の作業について、相談すべき相手と共有すべき相手を分けてください。・作業の一覧:〇〇 ・関係者と立場:〇〇 ・作業の結果が影響する範囲:〇〇出力は作業ごとに「相談先/共有先/それぞれの理由」を1行で書いてください。全員を相談先にせず、判断に必要な人だけを挙げてください。
相談先と共有先を決めた後は、ChatGPTでプロジェクトのコミュニケーション計画を作る方法|相手・頻度・共有内容を整理で連絡手段や頻度まで具体化できます。
作業前に相談が必要な相手をConsultedにする
作業を進める前に意見を求める必要がある相手を、Consultedとして位置づけます。相談すべき相手が明確であれば、作業の途中で判断に迷った際にも速やかに確認できます。
結果を共有すべき相手をInformedにする
作業の結果を共有すべき相手を、Informedとして位置づけます。共有先が明確になっていれば、関係者への報告漏れを防ぎやすくなります。
不要な相談・共有先を増やしすぎない
必要以上に相談先や共有先を増やしすぎないようにします。関係者が多くなりすぎると、確認や報告のやり取りが煩雑になり、かえって作業のスピードが落ちてしまいます。
ChatGPTでRACI表のたたき台を作る方法
役割の考え方が整理できたら、ChatGPTを使ってRACI表のたたき台を作ります。
作業と役割が決まったら、表の形へまとめさせます。
あなたはプロジェクトの体制設計の経験がある担当者です。次の内容をRACI表にまとめてください。・作業の一覧:〇〇 ・関係者:〇〇 ・決まっている担当と責任者:〇〇出力は行を作業、列を関係者にした表にし、各セルにR・A・C・Iのいずれかまたは空欄を入れてください。Aが複数ある行や、Aが空欄の行があれば最後に指摘してください。
作業一覧と関係者をChatGPTへ渡す
整理した作業一覧と関係者の情報をChatGPTへ渡します。情報が具体的であるほど、実態に即した割り当て案を検討してもらいやすくなります。
R・A・C・Iの割り当て案を表で出させる
作業と関係者の情報をもとに、R・A・C・Iの割り当て案を表形式で出してもらいます。表の形で出力してもらうことで、全体の役割分担を一覧で確認しやすくなります。
AIが置いた役割の根拠を人が確認する
ChatGPTが割り当てた役割について、どのような根拠で判断したのかを人が確認します。提案をそのまま採用せず、実際の業務内容や関係者の状況と照らして妥当かどうかを検証することが大切です。
RACIの責任の抜けと重複を確認する方法
たたき台ができたら、最後に責任の抜けと重複がないかを確認します。
RやAが空欄の作業を確認する
RACI表の中で、RまたはAが空欄になっている作業がないかを確認します。実行担当や最終責任者が決まっていない作業は、実際には誰も進行を管理しない状態になってしまいます。
一人に責任が集中しすぎていないか確認する
特定の一人にAccountableやResponsibleが集中しすぎていないかを確認します。責任が偏っていると、その人が対応できない状況になった際にプロジェクト全体が滞ってしまいます。
関係者と合意してRACI表を確定する
作成したRACI表の内容について、関係者と合意したうえで確定します。一方的に割り当てを決めるのではなく、当事者の納得を得ることで、実際の運用でも機能するRACI表になります。
まとめ
ChatGPTでRACIを作る際は、対象となる作業と関係者を整理したうえで、実行担当・最終責任者・相談先・共有先の順に役割を割り当てることが大切です。ChatGPTでたたき台を作りつつ根拠を人が確認し、責任の抜けや重複を検証して関係者と合意することで、実務で機能するRACI表に仕上げられます。
まずはRACIとして整理したい作業を、一覧として書き出すところから始めてみてください。 プロジェクト管理全体でのAI活用は、AIでプロジェクト管理を効率化する方法で解説しています。