プロジェクトの成果物は決まっているものの、そこに至るまでに必要な作業をどこまで細かく分ければよいのか分からず、WBSの作成に時間がかかってしまう、という経験はないでしょうか。粒度がバラバラなまま作業を並べると、後で管理する際に扱いづらいWBSになってしまいます。
この記事では、WBSを作る前に整理しておきたい成果物と期限から、ChatGPTでの成果物からのタスク洗い出し、実行できる粒度までの分解方法、タスクの依存関係の整理、タスクへの期限設定、そして作成したWBSの抜け漏れと実行可能性の確認方法までを順番に解説します。読み終える頃には、ChatGPTを使って実務で使えるWBSのたたき台を作れる状態になります。
WBSを作る前に成果物と期限を整理する
ChatGPTに洗い出しを依頼する前に、WBSの土台となる成果物と期限を整理しておきます。
プロジェクトで完成させる成果物を明確にする
まず、このプロジェクトで最終的に完成させる成果物を明確にします。成果物があいまいなままでは、そこから必要な作業を導き出すことができません。
完了期限と主要な節目を確認する
プロジェクト全体の完了期限と、途中の主要な節目を確認します。期限や節目が分かっていないと、後でタスクへ期限を割り振る際の基準がなくなってしまいます。
制約条件と前提をChatGPTへ渡せる形にする
予算や人員などの制約条件、前提となる情報をChatGPTへ伝えられる形に整理します。制約条件を伝えずに依頼すると、実現性の低いタスク構成が提案されてしまうことがあります。
ChatGPTで成果物からタスクを洗い出す方法
成果物と期限が整理できたら、ChatGPTを使って必要なタスクを洗い出します。
成果物を渡すと、そこへ至る作業が抜けにくくなります。
あなたはプロジェクト管理の経験がある担当者です。次の成果物を完成させるために必要なタスクを洗い出してください。
・完成させる成果物:〇〇
・成果物の提出先:〇〇
・完了期限:〇〇出力は成果物ごとに、必要なタスクを1行ずつ書いてください。成果物に直接つながらない作業は含めないでください。
成果物を作るために必要な作業を列挙する
成果物を作るために必要な作業を列挙します。ChatGPTに成果物の内容を伝えたうえで洗い出しを依頼すると、自分だけでは思いつきにくい作業に気づけることがあります。
準備・確認・承認など周辺作業も洗い出す
直接的な制作作業だけでなく、準備、確認、承認といった周辺作業も洗い出します。これらを見落とすと、後になって想定していなかった工数が発生する原因になります。
成果物と関係のないタスクを除く
洗い出したタスクの中から、成果物の完成に関係のないものを除きます。関係の薄いタスクが残っていると、WBS全体の見通しが悪くなってしまいます。
タスクを実行できる粒度まで分解する方法
タスクが洗い出せたら、実際に管理できる粒度まで分解します。
担当できる単位を伝えると、割り当て可能な粒度になります。
あなたはプロジェクト管理の経験がある担当者です。次のタスクを実行できる粒度まで分解してください。
・タスクの一覧:〇〇
・1人が担当できる作業の目安:〇〇
・関わるメンバーのスキル:〇〇出力は分解後のタスクを1行ずつ書いてください。1つのタスクを1人が担当できる大きさにし、それ以上分解できないものは理由を添えてください。
一人が進捗を確認できる単位へ分ける
タスクを、一人の担当者が進捗を確認できる単位まで分けます。粒度が大きすぎると、実際にどこまで進んでいるのかを把握しづらくなります。
大きすぎるタスクをさらに分解する
範囲が大きすぎるタスクは、さらに細かく分解します。ChatGPTに大きなタスクの内容を伝えて分解を依頼すると、抜けのない分解案を検討しやすくなります。
細かくしすぎたタスクをまとめる
反対に、必要以上に細かく分けすぎているタスクは適度にまとめます。細分化しすぎると、管理する項目数が増えすぎて、かえって全体像が把握しにくくなります。
タスクの依存関係を整理する方法
粒度が整ったら、タスク同士の依存関係を整理します。
前提になる作業を明示させると、並行できる部分が見えます。
あなたはプロジェクト管理の経験がある担当者です。次のタスクの依存関係を整理してください。
・タスクの一覧:〇〇
・各タスクの担当者:〇〇出力はタスクごとに「タスク/先に終わっていなければならないタスク/並行して進められるタスク」を1行で書いてください。依存関係が判断できないものは分けて挙げてください。
先に完了すべきタスクを特定する
他のタスクに着手する前に完了させておくべきタスクを特定します。前提となるタスクが特定できていないと、着手順を誤って手戻りが発生することがあります。
並行できるタスクを分ける
同時に進めても問題のないタスクを分けて整理します。並行できるタスクを把握しておくことで、全体のスケジュールを短縮できる可能性が見えてきます。
依存関係に矛盾や循環がないか確認する
整理した依存関係の中に、矛盾や循環が生じていないかを確認します。互いに前提とし合うタスクが存在すると、どちらから着手すればよいか判断できなくなってしまいます。
タスクへ期限を設定する方法
依存関係が整理できたら、各タスクへ具体的な期限を設定します。
タスクごとの所要期間を仮置きする
各タスクにどの程度の期間がかかるのか、仮の所要期間を置きます。最初から精緻な見積もりを目指すのではなく、まずは仮の数値を置いて全体像をつかむことが大切です。
依存関係に沿って開始日と終了日を置く
整理した依存関係に沿って、各タスクの開始日と終了日を配置します。前後関係を無視して日付を割り振ると、実際には着手できない順序になってしまうことがあります。
全体期限から逆算して無理がないか確認する
配置した日程が、プロジェクト全体の期限に対して無理のない計画になっているかを確認します。個々のタスクの期限だけを見ていると、全体としては実現不可能な計画になっていることに気づきにくくなります。
作成したWBSの抜け漏れと実行可能性を確認する方法
期限まで設定できたら、最後にWBS全体の抜け漏れと実行可能性を確認します。
成果物に必要な作業がすべて含まれるか確認する
最終的な成果物を作るために必要な作業が、すべてWBSに含まれているかを確認します。抜けている作業があると、プロジェクトの途中で計画にない作業が発生してしまいます。
担当者が実行内容を理解できる粒度か確認する
実際に作業を担当する人が、タスクの内容を見てすぐに実行できる粒度になっているかを確認します。粒度が粗すぎると、担当者が何から手をつければよいか迷ってしまいます。
関係者と確認してWBSを更新する
作成したWBSを関係者と確認し、必要に応じて更新します。一人で作ったWBSをそのまま確定させず、実際に作業する人たちの視点を反映することで、より実行可能な計画に仕上げられます。
まとめ
ChatGPTでWBSを作る際は、成果物と期限を整理したうえで、必要なタスクを洗い出し、実行できる粒度まで分解することが大切です。依存関係を整理して期限を設定し、関係者と確認しながら抜け漏れと実行可能性を検証することで、実務で使えるWBSに仕上げられます。
まずはプロジェクトで完成させる成果物を、一文で明確にするところから始めてみてください。 プロジェクト管理全体でのAI活用は、AIでプロジェクト管理を効率化する方法で解説しています。