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ChatGPTで翻訳する方法|ビジネスメール・資料の英訳と和訳を整える

海外とのメールのやり取りや、英語の資料を読む機会が増えているものの、翻訳ツールに文章を貼り付けるだけでは、意味は通じても不自然な文章になってしまうことがあります。逆に、意訳しすぎて原文のニュアンスが変わってしまうこともあります。

ChatGPTを使えば、単なる直訳ではなく、相手や場面に合わせた自然な翻訳を作ることができます。ただし、何も条件を伝えずに「翻訳して」と頼むだけでは、期待する文体にならないことも少なくありません。

この記事では、ビジネスメールや資料をChatGPTで翻訳する際に伝えておきたい条件と、英訳・和訳それぞれの進め方、そして翻訳結果を確認するポイントを解説します。

文書の種類によって、指定する条件が変わります。

文書の種類重視するもの指定する条件
メール相手との関係に合った語調相手との関係、用件の重さ、触れない事柄
資料見出しや表の構造を保つこと構造の維持、意味のまとまりでの分割
契約に関わる文書原文との一致直訳を優先、あいまいな箇所の指摘、人の最終確認
目次

ChatGPTでビジネス翻訳する前に伝える条件

翻訳を依頼する前に、いくつかの条件を伝えておくと、期待に近い訳文が一度で得られやすくなります。

翻訳する言語と読み手を伝える

どの言語からどの言語への翻訳かに加えて、読み手が誰なのかを伝えます。取引先向けなのか、社内の海外拠点向けなのかによって、適切な表現は変わります。

読み手の英語が母語かどうかも効きます。英語を共通語として使う相手なら、慣用表現を避けた平易な文のほうが伝わります。

用途と希望する文体を指定する

メールなのか、資料なのか、契約に関わる文書なのかという用途と、フォーマルにしたいのか、カジュアルでよいのかという文体の希望を伝えます。

直訳と自然な意訳のどちらを重視するか決める

一語一句の正確さを重視したいのか、多少表現を変えてでも自然な文章を優先したいのかを先に決めておきます。契約書のように正確性が重要な文書と、案内メールのように読みやすさが重要な文書とでは、重視する点が異なります。

先に決めないと、どちらの指摘もできなくなります。自然さを求めたのに直訳が返ってきたのか、正確さを求めたのに意訳されたのかが、自分でも判断できません。

ビジネスメールを英訳する方法

メールは、件名・本文・依頼事項がそれぞれ正しく伝わることが重要です。

相手との関係と用件の重さを伝えると、語調が揃った訳になります。以下はAIに送るプロンプトです。コピペして使ってください。

あなたはビジネス翻訳に慣れた担当者です。次の日本語メールを英訳してください。
・相手との関係:取引先の購買担当者。3年以上の取引がある
・用件の重さ:納期の遅延を知らせる。相手の生産計画に影響する
・訳したくない固有名詞:製品名と型番はそのまま残す
・条件:英訳のみを示してください。原文にない情報を補わず、あいまいな箇所があれば訳の後に指摘してください。

件名・本文・依頼事項を分けて入力する

件名と本文をまとめて入力するのではなく、分けて伝えることで、それぞれに適した翻訳がされやすくなります。依頼事項がある場合は、それも明確に伝えます。

件名は本文と別に訳させます。本文に合わせて訳すと、件名が説明的に長くなり、受信一覧で読めなくなります。

丁寧さと簡潔さの程度を指定する

英語のビジネスメールは、日本語ほど過度にへりくだった表現を必要としないことが一般的です。丁寧さのレベルを指定し、回りくどい表現にならないようにします。

日本語の前置きは、訳すと要点が後ろに下がります。「お世話になっております」から始まる3行は、英訳では落として構いません。

送信前に意図が変わっていないか確認する

翻訳後の文章を読み、依頼したい内容や伝えたいニュアンスが元の日本語と変わっていないかを確認します。

英文メールを自然な日本語へ和訳する方法

英語から日本語への翻訳では、直訳のままだと不自然な文章になりやすいため、整える工程が重要になります。

原文の主語と要件を確認する

英語は主語が明確な文章が多い一方、日本語では主語を省略した方が自然な場合があります。原文の主語と、伝えたい要件を確認したうえで翻訳します。

主語を省くかどうかは、社内で回す文書かどうかで決めます。誰が対応するのかを残す必要がある文書では、省きません。

不自然な直訳を読みやすい日本語へ整える

直訳のままでは意味が通じにくい表現がある場合は、日本語として自然な言い回しへ整えます。

曖昧な表現は勝手に補わず確認対象にする

英文の中に解釈が分かれる表現がある場合は、ChatGPTに推測で補わせるのではなく、確認が必要な箇所として明示してもらいます。

確認対象になりやすいのは、期限と範囲の表現です。「by the end of next week」が金曜なのか日曜なのかは、原文からは決まりません。

資料や長文を翻訳するときの進め方

メールより長い資料を翻訳する場合は、構造を保ちながら進めることが大切です。

見出しや段落の構造を保って翻訳する

見出し、段落、箇条書きといった元の構造を保ったまま翻訳するよう指定します。構造が崩れると、後で読み返す際に分かりにくくなります。

長文は意味のまとまりで分割する

長い資料を一度に翻訳させると、後半で文脈が抜け落ちることがあります。章や節などの意味のまとまりごとに分けて進めると、精度を保ちやすくなります。

30ページの資料なら、章ごとに5分割する形です。分割したら、章をまたぐ用語の訳が揃っているかを後で確認します。別の依頼として投げるため、同じ語が別の訳になります。

表や箇条書きの形式を維持する

表や箇条書きが含まれる資料では、その形式を保ったまま翻訳するよう伝えます。文章化されてしまうと、資料としての使いやすさが損なわれます。ファイルの体裁ごと訳せる専用ツールとの使い分けは、AI翻訳ツールの選び方で比較しています。

専門用語と固有名詞の訳を統一する方法

専門用語や固有名詞の訳がばらつくと、読み手に誤解を与えることがあります。

対訳のルールを先に固定すると、複数回の翻訳でも表記が揺れません。以下はAIに送るプロンプトです。コピペして使ってください。

あなたはビジネス翻訳に慣れた担当者です。次の文書に出てくる専門用語と固有名詞の対訳リストを作ってください。
・対象の文書:30ページの製品仕様書
・すでに社内で使っている訳:用語集にある12語を記載
・訳さずそのまま使うもの:製品名、型番、社名
・出力:「原語/訳語/扱い(訳す・訳さない)」の表にする
・条件:社内で使っている訳がある語は必ずそれを採用してください。用語集にない語は「新規」と印を付けてください。

用語集や既存訳を先に与える

社内で使っている用語集や、過去に使用した訳語があれば、翻訳前にChatGPTへ伝えておきます。過去の訳語を土台にすることで、文書ごとに表記が変わってしまう事態を避けられます。

用語集がない場合は、この対訳リストが用語集の初版になります。次の文書ではこれを渡します。

製品名・部署名・制度名は表記を固定する

製品名や部署名、社内制度の名称は、文書全体で同じ表記になるよう固定します。

同じ用語が複数の訳になっていないか確認する

翻訳後の文章を確認し、同じ用語に対して異なる訳語が使われていないかをチェックします。

確認は検索で行います。対訳リストの訳語を1語ずつ検索し、別の訳が混ざっていないかを見ます。

資料そのものを翻訳したい場合は、レイアウトを保ったまま訳せるツールが役立ちます。LanguiseはPDF・Word・PowerPoint・Excelのレイアウトを維持して翻訳し、原文と訳文を対比しながら確認できるサービスです。無料でも1日10回まで利用でき、50文字以下の翻訳は回数の制限がありません。有料プランの料金は公式サイトで確認してください。

相手や場面に合わせて翻訳のトーンを整える方法

同じ内容でも、相手や場面によって適切なトーンは変わります。

顧客向けは丁寧さを指定する

顧客や社外の取引先向けの文書では、丁寧さを保った表現になるよう指定します。

社内向けは簡潔さを優先する

社内の海外拠点とのやり取りなど、社内向けの文書では、過度な丁寧さより簡潔さを優先した方が読みやすくなる場合があります。

国や文化で誤解されやすい表現を見直す

直訳すると誤解を招きやすい慣用表現やユーモアが含まれている場合は、相手の文化に合わせて表現を見直すよう依頼します。

日本語特有の曖昧な断り方は、そのまま訳すと承諾に読まれます。「検討させていただきます」は、断りなら断りとして訳させます。

翻訳結果の意味と事実を確認する方法

翻訳が完成したら、公開・送信前に必ず確認する工程を挟みます。

訳文を原文へ戻させると、意味が変わった箇所が見つかります。以下はAIに送るプロンプトです。コピペして使ってください。

あなたはビジネス翻訳に慣れた担当者です。次の訳文を日本語へ戻し、原文と意味が変わっている箇所を指摘してください。
・原文:元の日本語メールの本文
・訳文:英訳した本文
・出力:「該当箇所/原文の意味/訳文の意味/どう直すか」を1行ずつ書く
・条件:表現の好みによる違いは挙げないでください。原文にない情報を補わないでください。

数字・日付・単位を原文と照合する

金額、日付、数量などの数字や単位に誤りがないかを、原文と照らし合わせて確認します。

否定・条件・依頼の意味が変わっていないか確認する

「〜しない」「〜の場合のみ」といった否定や条件の表現、依頼のニュアンスが、翻訳の過程で変わっていないかを確認します。

ここが最も間違いの起きる場所です。「在庫がない場合のみご連絡ください」が「在庫状況をご連絡ください」に変わると、相手は毎回連絡してきます。訳文としては自然で、読んでも違和感がありません。条件が外れた訳文は、間違いに見えないのが問題です。逆翻訳で見つかるのは、ほとんどがこの型です。

重要文書は人による最終確認を行う

契約に関わる文書や、対外的に公開する重要な文書は、ChatGPTの翻訳をそのまま使わず、必ず人による最終確認を行います。

まとめ

ChatGPTでビジネス翻訳を行う際は、言語や読み手、文体の希望を先に伝えることで、自然で意図の伝わる訳文が作りやすくなります。専門用語の統一や、数字・条件の照合といった確認作業を怠らないことが、誤解のない翻訳につながります。

とくに気をつけたいのは2点です。ひとつは、否定と条件を逆翻訳で確認すること。条件が外れた訳文は自然に読めてしまうので、読み返しでは見つかりません。もうひとつは、長文を分割したら用語の訳を突き合わせること。章ごとに別の依頼として投げるため、同じ語が別の訳になります。

まずは、実際に翻訳したいメールや資料をひとつ選び、この記事の流れに沿ってChatGPTに翻訳させてみてください。用語や表現を調整しながら使うことで、自分の業務に合った翻訳の頼み方が見えてきます。

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