ChatGPTでマニュアル・手順書を作る方法|業務手順を分かりやすく文書化
担当者しか分からない業務が属人化してしまい、いざマニュアルを作ろうとしても、何をどこまで書けばよいのか分からず後回しになっていることはないでしょうか。この記事では、ChatGPTを使ってマニュアル・手順書を作る方法を解説します。作る前に業務を整理する方法から、工程ごとの分解、条件と注意事項の整理、初稿の作成手順、初心者にも伝わる表現への調整、例外処理の追加、そして完成したマニュアルを実務で検証する方法まで、順を追って紹介します。
マニュアルは、実際にその業務を初めて行う人が迷わず実行できることが目的です。ChatGPTを使って効率的に作成しながらも、この目的を忘れずに整えていきましょう。
ChatGPTでマニュアルを作る前に業務を整理する方法
マニュアル作成を依頼する前に、対象業務の情報を整理しておく必要があります。
マニュアルの利用者と目的を決める
まず、そのマニュアルを誰が使い、何のために使うのかを決めます。新任者向けの引継ぎ資料なのか、既存担当者向けの参照資料なのかによって、説明の詳しさや前提とする知識のレベルが変わります。
作業の開始条件と完了条件を明確にする
対象業務が、どのような状態から始まり、どのような状態になれば完了とみなすのかを明確にします。開始と完了の範囲があいまいなままだと、マニュアルに含めるべき内容の境界が定まりにくくなります。
現行手順を実際の順番で書き出す
現在実際に行っている手順を、実際の順番のまま書き出します。この段階では整理を意識せず、普段の作業をそのまま言語化することを優先し、後の工程で工程ごとに分解していきます。
業務手順を工程ごとに分解する方法
書き出した手順を、マニュアルとして使いやすい単位に分解します。
一つの工程に一つの操作を割り当てる
一つの工程の中に複数の操作が混ざっている場合は、一つの工程には一つの操作だけを割り当てるよう分解します。操作が混在していると、読み手がどこまでが一つの作業単位なのかを把握しにくくなります。
担当者や使用ツールを明記する
各工程について、担当する役割や、使用するツール・システムを明記します。担当者やツールの情報があることで、実際にその業務を引き継ぐ人が、必要な準備を把握しやすくなります。
判断が必要な工程を分ける
単純な作業として進める工程と、状況に応じた判断が必要な工程を分けます。判断が必要な工程を明確にしておくことで、後述する条件や注意事項の整理につなげやすくなります。
手順ごとの条件と注意事項を整理する方法
工程が分解できたら、それぞれの工程に付随する条件や注意点を整理します。
実行条件と禁止事項を整理する
各工程を実行するための条件と、行ってはいけない禁止事項を整理します。条件と禁止事項が明確であることで、マニュアルを読む人が自己判断で誤った対応を取ってしまうリスクを減らせます。
ミスが起きやすい箇所を明示する
実際の業務の中で、これまでミスが起きやすかった箇所を明示します。経験のある担当者が知っている「つまずきやすいポイント」を明文化しておくことで、新任者が同じミスを繰り返すことを防げます。
確認ポイントと完了基準を入れる
各工程の途中や完了時に確認すべきポイント、そしてその工程が完了したと判断できる基準を入れます。確認ポイントがあることで、作業者が自分の進捗を正しく把握できるようになります。
ChatGPTでマニュアルの初稿を作る手順
整理した情報をもとに、実際にChatGPTでマニュアルの初稿を作成します。
利用者・目的・手順をまとめて伝える
整理した利用者情報、目的、工程ごとの手順をまとめてChatGPTに伝えます。情報がまとまっていることで、ChatGPTが一貫した構成のマニュアルを作成しやすくなります。
見出しと番号付き手順で出力させる
マニュアルの構成を、見出しと番号付きの手順という形式で出力するよう指示します。番号が振られていることで、作業者が現在どの工程を行っているかを見失いにくくなります。
元情報にない内容を補わないよう指定する
「伝えた情報のみを使い、記載のない手順や条件は追加しないでください」のように指定します。この指定をしておくことで、ChatGPTが文脈を補おうとして、実際には存在しない手順を追加してしまうリスクを抑えられます。
初心者でも実行できる表現へ整える方法
初稿ができたら、実際にその業務を知らない人でも実行できる表現に整えます。
専門用語を必要な範囲で言い換える
専門用語や社内独自の呼び方について、必要な範囲で分かりやすい言葉に言い換えるようChatGPTに依頼します。すべてを言い換える必要はなく、初めてその業務に触れる人が迷わない範囲で調整することを意識します。
一文を短くして操作内容を明確にする
一つの文の中に複数の操作が含まれている場合は、文を短く分けて、一つの文で一つの操作が分かるように整えます。長い文は読み飛ばされやすく、操作の抜け漏れにつながるため、簡潔な表現を心がけます。
画面名やボタン名を実際の表記に合わせる
システムやツールの操作を説明する際は、画面名やボタン名を実際の表記に正確に合わせます。表記が実際の画面と異なっていると、作業者が操作対象を見つけられず、混乱の原因になります。
例外処理・トラブル対応を追加する方法
通常の手順に加えて、例外的な状況への対応もマニュアルに含めます。
通常と異なるケースを洗い出す
通常の手順どおりに進まない、例外的なケースを洗い出します。普段業務を行っている担当者の経験をもとに、どのような場面で通常と異なる対応が必要になるかを整理します。
エラー時の対応先や判断基準を示す
エラーやトラブルが発生した際に、誰に連絡すればよいか、どのような基準で対応を判断すればよいかを示します。対応先が明確であることで、作業者が一人で判断に迷い続ける事態を避けられます。
作業を中止すべき条件を明確にする
作業を進めることが適切でない状況、つまり作業を中止すべき条件を明確にします。無理に作業を進めてしまうことでかえって問題が大きくなるケースもあるため、中止の判断基準をあらかじめ示しておくことが重要です。
完成したマニュアルを実務で検証する方法
マニュアルが完成しても、実際に使えるかどうかは検証してみないと分かりません。
実際の担当者に手順どおり実行してもらう
マニュアルを作成した本人ではなく、その業務に詳しくない担当者に、マニュアルの手順どおりに実際の作業を行ってもらいます。作成者自身の感覚では気づけない分かりにくさが、第三者による実行を通じて見つかることがあります。
不明点や抜けた工程を修正する
実際に試してもらった際に出てきた不明点や、抜けていた工程を洗い出し、マニュアルへ反映します。一度で完璧なマニュアルを作ろうとせず、実際の運用を通じて改善していく姿勢が重要です。
業務変更時の更新担当を決める
業務の内容が変わった際に、誰がマニュアルを更新する責任を持つのかを決めておきます。更新担当が決まっていないと、業務が変わってもマニュアルが古いまま放置され、実態と合わなくなってしまいます。
まとめ
ChatGPTでマニュアル・手順書を作るには、利用者と目的、開始・完了条件を決め、現行手順を実際の順番で書き出すことが出発点になります。工程を一つの操作単位に分解し、実行条件・禁止事項・ミスが起きやすい箇所を整理したうえで、見出しと番号付き手順の形式で初稿を作成します。専門用語の言い換えや一文の簡潔化で初心者にも分かりやすい表現に整え、例外処理とトラブル対応を加えたら、実際の担当者に試してもらい、不明点を修正したうえで、業務変更時の更新担当も決めて運用を始めてください。
よくある質問
Q. 業務が複雑すぎて、手順に分解しきれません。
無理に一度ですべてを分解しようとせず、まずは大きな流れを書き出し、その後に細かい工程へ段階的に分けていく進め方をおすすめします。
Q. マニュアルを作ったあと、更新を忘れてしまいそうです。
業務変更が発生した際にマニュアルを見直すタイミングを、あらかじめ業務フローの一部として組み込んでおくと、更新漏れを防ぎやすくなります。