アンケートの自由記述や問い合わせ内容がExcelに蓄積されているものの、一件ずつ読んで分類するのに時間がかかり、集計まで手が回らない、という経験はないでしょうか。基準を決めずに分類を始めると、判断がぶれてしまい、後で分類し直す手間が発生してしまいます。
この記事では、自由記述を分類する前に整理しておきたい目的と対象データから、ChatGPTでの分類カテゴリの設計、カテゴリごとの分類基準の決め方、Excelの自由記述をChatGPTで分類する方法、複数カテゴリに当てはまる回答の扱い方、分類結果をExcelへ戻して集計する方法、そして分類結果をサンプル確認して精度を見直す方法までを順番に解説します。読み終える頃には、ChatGPTを使って自由記述を一貫した基準で分類できる状態になります。
自由記述を分類する前に目的と対象データを整理する
ChatGPTに依頼する前に、この分類作業の目的と対象データを整理しておきます。
分類結果を何に使うか決める
まず、分類した結果を何のために使うのかを決めます。使い道が明確でないと、どこまで細かく分類すればよいかの判断がぶれてしまいます。
対象となる自由記述の範囲を確認する
分類の対象とする自由記述の範囲を確認します。期間や設問など、そこを明確にしておくことで、後の作業がスムーズに進みます。
個人情報や機密情報を含まないか確認する
対象データに個人情報や機密情報が含まれていないかを確認します。該当する場合は、ChatGPTへ渡す前に除去するか、扱ってよいかを慎重に判断する必要があります。
ChatGPTで分類カテゴリを設計する方法
目的と対象が整理できたら、ChatGPTを使って分類カテゴリを設計します。
回答の実例をいくつか渡すと、データに合ったカテゴリを設計してもらえます。
あなたはアンケート分析の経験がある担当者です。次の自由記述を分類するカテゴリを設計してください。
・分類する目的:〇〇
・回答の実例(10件程度):〇〇
・回答の総件数:〇〇出力はカテゴリごとに「カテゴリ名/含まれる内容/実例から該当するもの」を書いてください。どのカテゴリにも入らない回答の扱いも示してください。
回答の内容から主要テーマを抽出する
自由記述の内容を確認しながら、主要なテーマを抽出します。実際の回答を見ずにカテゴリを先に決めてしまうと、実態に合わない分類になってしまいます。
重なりすぎないカテゴリ案を作る
抽出したテーマをもとに、内容が重なりすぎないカテゴリ案を作ります。カテゴリ同士の境界があいまいだと、後で分類する際に迷いが生じてしまいます。
その他カテゴリが必要か判断する
既存のカテゴリに当てはまらない回答を受け止める「その他」カテゴリが必要かを判断します。想定外の回答の受け皿がないと、無理に近いカテゴリへ分類することになりかねません。
カテゴリごとの分類基準を決める方法
カテゴリ案ができたら、それぞれの分類基準を明確にします。
各カテゴリに含める内容を具体化する
各カテゴリに、どのような内容を含めるのかを具体化します。カテゴリ名だけでは判断基準があいまいなままになってしまいます。
境界が曖昧なカテゴリを整理する
内容が近く、境界が曖昧になりやすいカテゴリを整理します。区別が難しいカテゴリ同士は、統合するか明確な線引きを設けることが必要です。
具体例を使って分類基準を揃える
実際の回答例を使って、分類基準を揃えます。抽象的な基準だけでは、人によって判断が分かれてしまう可能性があります。
Excelの自由記述をChatGPTで分類する方法
分類基準が固まったら、実際にChatGPTを使って分類します。
カテゴリと基準を先に固定してから渡すと、分類の揺れを抑えられます。
あなたはアンケート分析の経験がある担当者です。次の回答を指定したカテゴリへ分類してください。
・カテゴリと基準:〇〇
・分類する回答:〇〇出力は「回答の番号/カテゴリ名/判断の根拠になった箇所」を1行ずつ書いてください。カテゴリを新しく作らず、迷う回答は判断できないものとして分けてください。
自由記述とカテゴリ基準をChatGPTへ渡す
分類対象の自由記述と、決めたカテゴリ基準をChatGPTへ渡します。基準を明示したうえで依頼することで、一貫性のある分類結果を得やすくなります。
一件ごとにカテゴリを付与させる
自由記述の一件ごとに、該当するカテゴリを付与してもらいます。まとめて処理するより、一件ずつ確認できる形にしておくと後の検証がしやすくなります。
分類理由も確認できる形で出力する
各回答がなぜそのカテゴリに分類されたのか、理由も確認できる形で出力してもらいます。理由が分かれば、分類結果を検証する際の手がかりになります。
複数カテゴリに当てはまる回答を扱う方法
分類を進める中で、複数のカテゴリに当てはまる回答への対応方法を決めます。
主カテゴリと副カテゴリを分ける
一つの回答に複数のテーマが含まれる場合、主カテゴリと副カテゴリを分けて扱います。無理に一つへ絞り込むと、回答が持つ情報の一部が失われてしまいます。
無理に一つへ分類しないルールを決める
複数のカテゴリにまたがる回答を、無理に一つへ分類しないルールを決めておきます。ルールがないと、担当者や場面によって扱いが変わってしまうことがあります。
判断できない回答を要確認として残す
どのカテゴリにも判断がつかない回答は、要確認として別途残しておきます。無理に分類せず保留にしておくことで、後から人が正確に判断できます。
分類結果をExcelへ戻して集計する方法
分類ができたら、結果をExcelへ戻して集計します。
戻す形を指定すると、貼り付けるだけで集計できる状態になります。
あなたはアンケート分析の経験がある担当者です。次の分類結果をExcelへ貼り付けられる形にしてください。
・分類結果:〇〇
・Excel側の列構成:〇〇出力は回答の順番を変えずに、カテゴリ名だけを1行ずつ並べてください。件数の集計は不要です。
元データと分類結果を対応させる
元の自由記述データと、分類結果が正しく対応しているかを確認します。対応関係がずれていると、誤った回答にカテゴリが付いてしまうことがあります。
カテゴリ別の件数を集計する
カテゴリごとの件数を集計します。集計結果を見ることで、回答全体の傾向を把握しやすくなります。
元の自由記述を消さずに残す
分類結果を追加する際も、元の自由記述は消さずに残しておきます。元データが残っていれば、後から分類の妥当性を確認できます。
分類結果をサンプル確認して精度を見直す方法
集計ができたら、最後に分類結果の精度を確認します。
各カテゴリから一定数を抽出して確認する
各カテゴリから一定数の回答を抽出し、内容を確認します。全件を確認するのが難しい場合でも、サンプルを確認することで分類の妥当性をある程度把握できます。
誤分類が多いカテゴリの基準を見直す
誤って分類されている件数が多いカテゴリについては、基準を見直します。基準があいまいなカテゴリほど、誤分類が発生しやすい傾向があります。
基準変更後に必要なデータを再分類する
分類基準を変更した場合は、必要な範囲のデータを再分類します。基準を変えたにもかかわらず古い分類結果をそのまま使うと、集計結果に矛盾が生じてしまいます。
まとめ
ChatGPTでExcelの自由記述を分類する際は、目的と対象データを整理したうえで分類カテゴリと基準を設計することが大切です。実際に分類を行い、複数カテゴリにまたがる回答の扱いを決めたうえで、集計結果とサンプル確認を通じて精度を見直すことで、実務で使える分類に仕上げられます。
まずは分類した結果を何のために使うのかを決めるところから始めてみてください。 Excel業務全体の効率化は、AIでExcel業務を効率化する方法で解説しています。