生成AIで授業教材を作る方法|ワークシート・問題・説明文の作成手順
ワークシートや練習問題を一から作成するのは、意外と時間のかかる作業です。生成AIを使えば、下書きの作成にかかる時間を大きく短縮できますが、指示の出し方によって出来上がりの質は大きく変わってきます。
この記事では、生成AIで授業教材を作る前に決めておきたい条件から、ワークシート・練習問題・説明文それぞれの作成手順、学年や理解度に合わせた難易度調整の方法、教材を授業用に仕上げるためのチェック項目、そして教材作成で避けたい生成AIの使い方までを整理していきます。実際の授業で配布できる教材へ仕上げるための、具体的な手順を確認していきましょう。
生成AIで授業教材を作る前に決める条件
教材を作り始める前に、いくつかの条件を明確にしておくことで、狙った通りの下書きを得やすくなります。
教材の目的と使用場面を決める
導入で使うのか、まとめの確認問題として使うのか、家庭学習用のプリントとして使うのかによって、求められる教材の性質は異なります。使用場面を明確にしてから生成AIに依頼することで、実際の授業の流れに合った教材を得やすくなります。
対象学年・教科・単元を明確にする
同じテーマであっても、学年によって求められる語彙のレベルや説明の深さは大きく変わります。対象学年・教科・単元を具体的に伝えることで、対象に合わない内容が生成されるのを防ぎやすくなります。
必要な形式・分量・難易度を指定する
問題数や文字数、記述式か選択式かといった形式面の条件も、あらかじめ指定しておくことが重要です。条件が曖昧なままだと、想定していた分量や形式と大きく異なる出力になり、修正の手間が増えてしまいます。
ワークシートの下書きを作る手順
授業で配布するワークシートを、生成AIを使って作成する手順を見ていきます。
学習目標に合う設問構成を伝える
そのワークシートを通じて、児童生徒にどのような力を身につけさせたいのかという学習目標を伝えることが出発点です。学習目標が明確であれば、それに沿った設問の構成を提案してもらいやすくなります。
記入欄や活動手順を含めて生成する
ワークシートには、児童生徒が実際に書き込む記入欄や、作業の手順が必要になります。「記入欄を含めてください」「作業の手順を番号付きで示してください」といった具体的な指示を加えることで、そのまま使いやすい形式に近づけられます。
授業時間内で使える分量へ整える
生成された下書きが、実際の授業時間内で無理なく取り組める分量になっているかを確認し、必要に応じて調整します。分量が多すぎる場合は問題数を減らす指示を、少なすぎる場合は追加の設問を依頼するなど、時間配分に合わせた調整を行います。
練習問題を作る手順
確認テストや練習問題を作成する際の、具体的な手順を紹介します。
扱う知識と出題範囲を指定する
どの単元のどの内容を出題範囲とするのかを、具体的に伝えます。出題範囲が曖昧なままだと、授業で扱っていない内容が含まれてしまったり、逆に重要な内容が抜け落ちてしまったりすることがあります。
基本問題と発展問題を分けて作る
理解度に応じて取り組めるよう、基本的な問題と、少し発展的な内容を含む問題を分けて生成することも有効です。「基本問題を5問、発展問題を3問」というように数を指定することで、クラス全体の理解度の幅に対応しやすい教材になります。
解答と解説を別に生成して照合する
問題と解答・解説を同時に生成させると、内容に矛盾が生じることがあります。問題を作成したあと、あらためて解答・解説を生成し、両者の内容が正しく対応しているかを照合する手順を踏むことで、誤りを見つけやすくなります。
説明文を作る手順
授業で使う説明資料や、概念を解説する文章を作成する際の手順を見ていきます。
説明する概念と前提知識を示す
何を説明したいのか、そして児童生徒がすでに知っていると想定される前提知識は何かを伝えます。前提知識を示さずに依頼すると、すでに学習済みの内容を繰り返し説明してしまったり、逆に必要な前提の説明が省略されてしまったりすることがあります。
児童生徒が理解できる語彙へ調整する
対象学年に応じて、使用する語彙のレベルを調整するよう指示します。専門用語をそのまま使うのではなく、学年に応じた言い換えや補足説明を加えるよう伝えることで、実際の授業で使いやすい説明文に近づけられます。
具体例を加えて説明の順序を整える
抽象的な説明だけでは理解しにくい内容には、身近な具体例を加えるよう指示します。あわせて、説明の順序が児童生徒にとって分かりやすい流れになっているかを確認し、必要であれば構成の入れ替えを依頼します。
学年や理解度に合わせて難易度を調整する方法
同じ教材でも、クラスの実態に応じて難易度を調整する必要がある場面は多くあります。
問題数や文章量を増減する
理解度が高いクラスでは問題数や文章量を増やし、時間を要するクラスでは絞り込むといった調整を、生成AIへの指示で行うことができます。「問題数を3問に減らしてください」といった具体的な指示で、迅速に調整できる点が生成AIを使う利点です。
ヒントの量と段階を調整する
つまずきやすい児童生徒が多い場合は、ヒントを段階的に示す形式にするよう指示することも有効です。「最初は簡単なヒント、次に少し詳しいヒントを用意してください」というように、段階を追った補助を組み込むことができます。
つまずきやすい箇所の補助説明を追加する
過去の授業経験から、特につまずきやすいと分かっている箇所があれば、その部分に補助説明を追加するよう指示します。教員自身が持つ経験的な知見を伝えることで、より実態に即した教材に仕上げやすくなります。
生成AIで作った教材を授業用に仕上げるチェック
生成された下書きをそのまま使うのではなく、配布前に必ず確認すべき項目があります。
教科書や授業内容と一致しているか確認する
生成AIが作成した教材の内容が、実際に使っている教科書や、これまでの授業で扱った内容と一致しているかを確認します。表現や用語が教科書と異なっていると、児童生徒が混乱する原因になります。
誤答・曖昧な表現・不自然な設問を修正する
問題の中に誤りがないか、設問の意図が曖昧になっていないか、不自然な日本語表現が含まれていないかを、丁寧に確認します。生成AIは流暢な文章を作る一方で、内容面の細かい誤りが紛れ込むことがあるため、この確認は欠かせません。
実際の授業で配布できる体裁へ整える
内容面の確認に加えて、レイアウトや見た目についても、実際に配布できる体裁に整える必要があります。記入欄の大きさや、印刷したときの見やすさなど、実務的な観点からの最終調整を行います。
教材作成で避けたい生成AIの使い方
教材作成において、明確に避けるべき使い方についても押さえておく必要があります。
生成結果を確認せず配布する
生成AIが作成した教材を、内容の確認を行わないままそのまま印刷し、児童生徒へ配布することは避けるべき使い方です。前述のチェック項目を必ず経たうえで、配布する内容を最終決定する必要があります。
児童生徒の個人情報を入力する
特定の児童生徒の名前や、個別の学習状況といった個人情報を、教材作成のプロンプトに含めることは避ける必要があります。教材の内容を調整したい場合も、個人が特定されない形で、一般的な傾向として伝えることが基本です。
学習目標より生成しやすさを優先する
生成AIが得意とする形式や内容に合わせて、本来の学習目標を後回しにしてしまうことは避けるべき姿勢です。あくまで、その授業で身につけさせたい力を軸に教材を組み立て、生成AIはその実現を助ける道具として位置づけることが大切です。
教材作成だけでなく、授業準備や校務全体で生成AIを安全に活用する流れを整理したい場合は、教師の生成AI活用ガイド|授業準備・校務で安全に使う方法も参考になります。
まとめ
生成AIで授業教材を作る際は、教材の目的・対象学年・形式を明確に伝えることが、狙った通りの下書きを得るための基本になります。ワークシート・練習問題・説明文それぞれの特性に応じた指示を組み立て、クラスの理解度に合わせて難易度を調整することで、実態に即した教材に近づけられます。
生成された下書きは、教科書との整合性や誤りの有無を必ず確認し、配布できる体裁に整えたうえで使用することが欠かせません。生成しやすさよりも学習目標を優先する姿勢を保ちながら活用することが、生成AIを教材作成で効果的に活かす鍵になります。